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建通新聞社(神奈川)
2017/09/15

【神奈川】旧伊藤博文邸など6fを保存・活用 明治記念大磯邸園 国、県など

  大磯町の旧伊藤博文邸(滄浪閣)を中心とする建物群と緑地を(仮称)明治記念大磯邸園として整備する計画が進められている。「明治150年」関連施策の一環として国土交通省が2018年度予算の概算要求に盛り込んだもので、今後、整備の具体的な内容や、県、町との役割分担を固めていく方針だ。開会中の県議会と町議会でも取り上げられ、知事、町長とも歴史的遺産の保存・活用に前向きな姿勢を示した。
 政府の関係府省庁は、明治元年から150年目に当たる来年を「明治150年」とし、さまざまな関連施策を計画している。明治記念大磯邸園計画はその一つで、明治期の立憲政治に関する歴史的な遺産を後世に伝えるのが目的だ。
 対象となるのは、国道1号と西湘バイパスの間に位置する旧伊藤邸(敷地約1万7280平方b、建物5826平方b)、旧西園寺公望邸(敷地約1万4520平方b、建物815平方b)、旧大隈重信邸・旧陸奥宗光邸(敷地約2万6400平方b、建物1482平方b)や特別緑地保全地区など。旧邸宅はいずれも民間企業が所有している。
 国交省の概算要求によると、県と町との適切な役割分担の下で建物群と緑地を大磯邸園として整備することで、建物群の一体的、有機的な活用を図るとしている。
 相模湾沿岸地域に残る邸宅・庭園を生かしたまちづくり「邸園文化圏再生構想」を掲げる県も今回の動きを歓迎している。9月14日の県議会第3回定例会で黒岩祐治知事は、守屋てるひこ議員(自民党)の代表質問に対し、地域活性化などの点から邸園計画に期待感を示した。その上で、国と町との役割分担について「検討・調整にしっかり取り組む」と述べた。大磯町の中ア久雄町長も9月11日の町議会一般質問で、同計画に積極的に関わる姿勢を示している。
 役割分担や整備内容といった邸園計画の骨格づくりは、これから本格化することになる。
 提供:建通新聞社