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北陸工業新聞社
2017/09/27

【福井】首長インタビュー/インフラの老朽化対策/河合永充永平寺町長(上)/上下水道管は見えないが大変重要/数年後の処理場更新を視野に

 河合永充永平寺町長に公共インフラ施設の老朽化対策を中心に聞いた。町長室で。
 ■老朽化の対応へ下水道施設から。
 町長 永平寺地区の中央処理場は回転円盤型という全国的にも稀な形態で、そのぶん更新が難しいらしい。建設当時は(大本山永平寺のある観光地に配慮し)昼夜の処理量に差が出るだろうと円盤型になったよう。一方の松岡地区は坂井市と併用する五領川処理場へ、と分別する状況。課題として両地区を合わせた処理案も指摘されるが、九頭竜川の関係もあって、そう簡単ではない。数年後に迫る更新の時期を念頭に判断が必要だ。また上水道の老朽管も増えてきており、漏水個所を部分的に直しても全体の圧力バランスが変化して他が漏れてしまうなど悩ましい。
 ■一長一短を考えあわせ、全体的な判断が求められますね。
 町長 観光客を増やし企業誘致も進めるなど、人口が減っていくなかでそれらをトータルに立案していかねばならない。下水道と上水道は結構大きな課題で大切なインフラだ。見えないけれど、なくては生きていけない重要な公共施設。水道の布設替えについては運営(経営)上、費用に見合っているかどうか。向こう5年ほどの間に、ある程度は方向性を出さねばならない。住民の皆さんが(老朽化に)気づく段階では既に遅いので、そうなる前の対策が大切になってくる。

【財政状況】
・歳入の約4割を占める地方交付税が合併算定替特例加算措置の終了で段階的に縮減され、21年度には14年度対比で約5億円の減収を想定。
・普通建設事業費は06年度から15年度末までの普通建設事業費の平均は約13億円/年で15年度は約22.8億円。
【公共施設等の中長期的な経費見込み】
・公共施設の建替えや大規模改修に係る経費は今後40年間で約573億円(平均約14.3億円/年)と試算。
・インフラ施設の更新は今後40年間で約493億円(平均約12.3億円/年)と試算。
・公共施設とインフラ施設を合わせ今後40年間で約1066億円(平均約26.7億円/年)となり、17年度〜20年度の年平均投資的経費である約8.4億円/年の3.2倍となる。(以上、公共施設等総合管理計画)

かわい・ひさみつ
等しく仏教の聖地、高野山を有する高野町(和歌山県)を先例に、インフラ更新の在り方について様々に思案を巡らせる。

hokuriku