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建通新聞社(東京)
2017/10/16

【東京】都 呑川に調節池2カ所新設へ

 東京都建設局は呑川での時間雨量75_対応として、九品仏川との合流部付近(目黒区)に2カ所の調節池を新設する。公園などの公共用地に設置する前提の下、2カ所で計約9万立方bの貯留量を確保する方針で、今後、設置場所や施設の整備内容の検討を進めていく。並行して河床の掘削や既存護岸の耐震化などを実施することで、流域全体の洪水被害を低減させる。
 呑川は、世田谷区新町地先を水源に東南に流れ、目黒区と大田区を通過して東京湾に注ぐ延長14・4`の2級河川。目黒区緑が丘地先で延長2・6`の九品仏川が合流しており、この合流点から上流と九品仏川は覆蓋(ふくがい)化して下水道の事業区間となっている。
 市街化された区域を流れる都市河川のため、治水上の安全性を確保しながら、自然環境に配慮した整備を進めていく考えだ。
 時間雨量75_への対応として石川橋から九品仏川合流点付近までの区間に2カ所の調節池を配置するとともに、50_対応として下流域での河床掘削と既存護岸の耐震対策などを実施する。
 このうち調節池は、九品仏川合流点付近に容量約4万立方b、石川橋〜九品仏川合流点付近に同5万立方bの規模の施設を整備する。原則として道路や公園など用地取得が不要な敷地を活用する方針で、今後、施設の設置場所や整備内容といった施設計画の検討を進める。
 また、河床の掘削については、河口から、JR東海道線の上流にある大平橋までの区間(幅9〜26b)で実施する。可能な限り動植物の生息・育成・繁殖に配慮し、現在の河床を掘り下げて流量を増やす。落差工や河川管理用通路も整備する。
 高潮対策の対象区間でもある河口から京浜急行線の上流に位置する柳橋までの区間では、将来にわたって考えられる最大級の強さの地震(レベル2地震動)に対応するため耐震化する。耐震性能照査の結果を踏まえ、コンクリートや鉄筋による補強、河床の地盤改良などを行って既存の護岸を強化していく。

提供:建通新聞社