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日刊建設工業新聞
2017/10/24

【鳥取】県公共事業評価委/国道183号宮内工区は持ち越し

 県公共事業評価委員会(会長・古塚秀夫鳥取大学副学長)は20日、事前評価の林業専用道円谷福山線と再評価の国道178号岩美道路の2事業を妥当とする方向性を決めた。また、事前評価の国道183号宮内工区は県独自の評価マニュアル案に沿って審議することになり、次回の会合であらためて協議する。
 評価委はこの日、実質審議がスタート。日南町宮内〜矢戸の国道183号宮内工区では、県道路建設課が線形不良や落石の危険性を訴えて延長1300bのバイパス案を示した上で、走行時間短縮など「基本3便益」に拡張便益を加えた総便益1・20(B/C)を提示した。
 併せて中山間地で便益が出にくい道路の整備方針を明確にするため、今年3月にまとめた県独自の評価マニュアル案を説明。貨幣換算が困難な「定性的効果」と費用便益比を組み合わせた評価手法によって、「事業を実施する価値がある」との判断結果を示した。
 これに対し委員は、定性的効果の評価項目に丁寧な説明を求め、同課が次回12月中旬の会合で詳しい評価結果を説明することを決めた。
 また、倉吉市円谷〜三朝町福山の林業専用道円谷福山線は、市町境の森林に延長1万0400b、幅員3・0(3・5)bを整備する。県産材・林産振興課は、間伐材の搬出で特殊機械が入りやすくなり、生産性向上のメリットは大きいと強調。森林整備便益などを見込んだ総便益比1・26(B/C)の分析結果を説明した。
 国道178号岩美道路では、県道路建設課が前回評価(2012年度)から全体事業費が約50億円膨らみ313億円になったと説明。変更理由にはトンネルに掘削補助工法を追加したことや、橋梁下部工に鋼管杭が必要になったことなどを挙げた。
 評価委は林業専用道と国道178号の「適切性」を認め、円谷福山線の新規着手と岩美道路の事業継続を妥当とする方向を確認した。
 妥当の方向性が決まった2事業は次の通り。
※事前評価
▽県営林業専用道開設事業・円谷福山線(倉吉市〜三朝町)=開設延長1万0400b、幅員3・0(3・5)b。事業期間17〜26年度。全体事業費13億円
※再評価
▽国道178号改築事業(岩美道路)(岩美町)=バイパス延長5700b、幅員7・0(13・5)b。全体事業費312億8000万円。進ちょく53・0%。供用開始予定23年度(平成30年代前半)


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