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北陸工業新聞社
2017/10/24

【新潟】高速・安定化の両立実現/鹿島とコマツが新掘削機/新姫川発電所で導入/NATBM(ナトビーエム)

 鹿島とコマツは、トンネル掘削の代表的な工法であるTBMとNATMの特長を両立する「NATBM(ナトビーエム)掘削機」を共同開発した。黒部川電力が糸魚川市内で計画の新姫川第六発電所建設工事2工区(施工=鹿島・佐藤工業JV)に導入する。
 TBM工法は均質な地層で安定した高速掘削が可能だが、地質が複雑な地山ではメリットを生かし切れない弱点を持つ。NATM工法はTBMに比べ掘削速度で劣るものの、不良地山に対して柔軟に対応できる。両社が開発したNATBM掘削機は、地質の変化に応じてTBMモードからNATMモードへ切り替える仕組み=図=を採用し、高速掘削と安定掘削を両立した。
 硬質な地山ではTBMモードを使って高速掘削を行い、同時に前方探査により不良地山の出現を早期に発見する。到達した段階でマシンを最大3・0メートル後退させ、前方に掘削スペースを確保。カッターヘッドを開口しNATMモードへ切り替える。切り替えに要する時間は1・5日とわずか。その後、地山が緩む前に支保工を構築しながら掘削を進めていく。地山の状況に応じ、鏡吹付などの補助工法も施工可能。
 今回導入する新姫川第六発電所土木工事2工区では、TBMトンネルφ4750ミリL=3718メートルと、NATMトンネルL=219メートルを施工。地質は硬質な砂岩や泥岩が主体であるものの、従来のTBMでは対応が困難な不良地山の出現も予測されることから、TBMとNATM両方の特長を併せ持つ同掘削機を投入することで、工期短縮とコスト削減、安全施工を実現するとしている。

hokuriku