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建通新聞社四国
2017/11/07

【徳島】徳島市 有識者で道の駅の進め方検討を開始

 徳島市は、「地域振興施設・国府道の駅整備事業」の進め方を検討するための外部有識者会議を設置。10月30日に初会合を開き、事業の現状などを確認した。今後、必要に応じて会議を開き、年度内をめどに市長への報告書提出を求める。報告を受けて市は最終的に事業の方向性を判断し、市議会、市民へ説明していく考えだ。
 先の9月市議会定例会において、遠藤彰良市長が「事業をいったん立ち止まり検証する」とした表明を受けての取り組み。中断理由として「母体となる徳島南環状道路の開通の見通しが立たず、十分な交通量の確保が困難なことから、採算の見通しが立たない」、「負担する指定管理料が市の財政を圧迫する懸念」などを挙げている。これを受けて市は、事業を再検証するため9月末に庁内でプロジェクトチーム(リーダー・岡田元成経済部長)を設置しており、専門的見地から意見を求めることにした。有識者会議の委員は7人。当日は委員の互選で委員長に徳島大学の山中英生副理事を選出した。
 山中委員長は「3年前に基本計画のお手伝いをしたが、道の駅は地域活性化のコンセプトで進めてきた経緯があり、道路事業の遅れよりも重要と考えている。しかしながら採算性も重要で、進めるにしても創意工夫が必要だ。われわれにできることを示していきたい」などとあいさつ。続いて設置要綱を定め、議事に入った。
 議事では、市がこれまでの事業の経緯を説明。2014年度末の基本計画策定後、15年度から基本設計や施設運営について地元関係者と議論を重ねていたが、16年4月から事業の見直しに入り、当初見込んでいた事業費約26億円から約19億3000万円に縮小させた旨などを報告した。
 委員からは「採算性は重要。いきなり19億3000万円で整備するのではなく、必要最低限のものから整備すべき」「レストランのコンセプトが重要。団体客を見込むのか、個人客を見込むのかで施設の方向性が決まる」「現状では道の駅そのものが目的地になっている。国府の歴史性や四季折々の魅力、イベント等で呼び込めるのでは」などの意見が寄せられた。「凍結」よりも「できるものから段階的に進める」といった意見が大半を占めた。市は同会議での議論や指示などを踏まえ、都度、同会議に調査・検討内容を報告。同会議から市長への早期の報告書提出を求めていく。
 同事業は、市内中心部への中継点として、国府町延命地区の徳島南環状線沿いの敷地面積1万5800平方bに道の駅を整備し、観光客の誘致拡大や地域経済の活性化を図るもの。計画では、国土交通省がトイレ棟(道路利用者向け24時間対応)などを整備する他、市が観光情報等発信施設、地場食材を使用した飲食施設および軽飲食施設、農産物直売所、産業振興ギャラリー、避難施設・防災倉庫を整備する。
 前回の見直し後の総事業費は19億3000万円で、本年度は実施設計と用地取得作業を並行して進め、18年度の造成着手と指定管理者の選定。その後19〜20年度で建築工事と外構工事を進め、21年度の施設オープンを見込んでいた。1万1000平方bの造成設計は松本コンサルタント(徳島市)、総延べ2953平方b(本館棟が1933平方b、レストラン棟が630平方b、外構付帯建物が390平方b)の建築設計は宮建築設計(徳島市)がそれぞれ担当していたが、市は見直しの指示を受けて、業務を中断させている。

提供:建通新聞社