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建通新聞社四国
2017/11/14

【香川】四電技術に 西汐入川浸水対策調査設計 県

 香川県土木部は、台風18号により床下浸水などの浸水被害が発生した丸亀市の西汐入川で周辺を含む浸水対策の本格検証に乗り出す。浸水対策調査設計業務(丸亀市新田町他)を四電技術コンサルタント(高松市)に委託。降雨による洪水と、高潮による海面上昇の事象が同時に起きた場合を再現。治水事業で進める、河川内の必要堤防高の検討や、越水状況等を確認した上で対策工法も視野に、浸水対策の分析を行う。納期は2018年3月30日までだが、丸亀市が進める下水処理(雨水排水)を踏まえ、内水対策の検討成果とも調整しつつ検証するため、18年度に改めて調査設計を実施することも見込まれる。
 台風18号被害により、多度津町の桜川でも浸水被害が発生。同河川では過去の潮位を上回る事象が観測され、治水対策工法を前提に検証を進めている。
 丸亀市の西汐入川でも台風18号により洪水と高潮が同時に起きたとの観測情報があり、まずは同時発生下での事象を検証する。同河川では高潮時に西汐入川水門を閉鎖し海水の遡上(そじょう)がないようにしている。洪水対応では現在の河川断面で対応できるものの、大雨の降雨による洪水と高潮による海面上昇が同時発生の場合の影響が深刻であるため、同時発生を再現し堤防区間の「越水」と堤防のない「溢水(いっすい)」の確率を踏まえ、必要堤防高などを検討する。抜本的な治水対策が必要となれば、対策工法を整理し次の設計調査に備えていく考えだ。
 一方、浸水区域で丸亀市が進める下水処理(雨水)対策で西汐入川に流入しなかったとの観測もある。このため、丸亀市は浸水区域の内水対策計画を本年度内に検討し、県は同計画との調整も並行して進める。

提供:建通新聞社