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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/11/02

【茨城】石名坂橋は上部工へ/国道6号大和田拡幅

 県土木部の富永幸一部長は、10月25日に開かれた10月定例県議会の予算特別委員会において、国道6号大和田拡幅の進捗や見通しについて説明。茂宮川橋の4車線拡幅部における新橋整備が年度内に完成し、続けて石名坂橋の上部工事を国が順次進めていく見通しを示したほか、山側道路の渋滞緩和に向けて、日立市が国道6号への右折レーンを2車線にする工事などを進めている現状を説明。県としては、日立市と連携を密にしながら、直轄事業の加速化に向けて国に強く働き掛けるとともに、十分な支援と協力を行っていく方針を示した。
 国道6号大和田拡幅は、県と日立市が整備した都市計画道路石名坂多賀線(通称山側道路)と一体となって、日立市南部の交通渋滞の緩和を図るとともに、常磐道日立南太田インターチェンジから茨城港日立港区やその周辺の工場へのアクセスを向上させることで、地域産業の発展にも寄与する事業。
 10月定例県議会の予算特別委員会で、齋藤英彰議員(民主)が同事業について質問。今回の補正予算で国道6号大和田拡幅を含む道路直轄事業負担金に10億9400万円の増額が含まれていることに触れ、同事業にこれまで投入してきた負担金の状況や整備状況についてただした。
 富永部長は、国道6号大和田拡幅について「国道6号と県道下土木内常陸太田線が交差する神田町交差点から国道6号と山側道路が交差する大みか町6丁目交差点までの約3・3qについて、2006年度に事業化した」と説明。10年度から用地取得を進め、16年度からは日立市が用地交渉専門の職員を配置し国の用地取得に全面的に協力している状況を示した。
 これまでの整備としては、大みか町6丁目交差点について「山側道路の全線供用に併せ、11〜13年度にかけて国道6号における暫定2車線での交差点工事を実施した」と説明。また同事業区間のほぼ中央に位置し、老朽化している茂宮川橋、および石名坂橋について「架け替えが必要であることから、まず4車線拡幅部分の新橋の工事を進めることとし、12年度に茂宮川橋の下部工事に着手。本年度には茂宮川橋の上部工事および石名坂橋の下部工事に着手した」と現状を説明した。
 県が投入した負担金の状況については「国の全体事業費約83億円のうち平成28年度末までに要した事業費は約34億円。県が3分の1を負担するため、県の負担金は11億円あまり。本年度の直轄事業費は10億5000万円であり、県の負担金は3億5000万円となっている」とした。
 続けて齋藤県議は、山側道路と国道6号が交差する大みか町6丁目交差点の渋滞対策について質問。
 富永県土木部長は「山側道路の交通量が予想を大きく上回ったことから、国においては4車線化に併せて整備する予定だった交差点改良工事のうち、近接する石名坂交差点を南側へ200m移設する工事を大幅に前倒し、現在直轄工事を進めている。また併せて山側道路から水戸方面へ右折した車両が国道6号を円滑に進行できるスペースを確保するため、この区間の水戸方面へ向かう車線を部分的に2車線とする工事を実施しており、本年12月までに完成する予定」と話した。
 また、より一層の渋滞緩和を図るため「国が大みか町6丁目交差点を含む石名坂町地区の4車線化に必要な用地取得を引き続き強力に推し進めていく。また本年度に茂宮川橋を完成させるとともに、引き続き、石名坂橋の上部工事および、この2橋につながる道路工事を進めることにより走行性と安全性を確保していく」と、国の方針を示した。
 このほか、渋滞対策の効果をさらに発揮させるため、日立市が実施する山側道路の右折レーンを2車線にする工事が本年度内に完成する予定である状況を明示。
 最後に「一日も早く事業区間全体の4車線化が完成するよう、日立市との連携を密にしながら、直轄事業の加速化に向けて国に強く働き掛けるとともに、十分な支援と協力を行っていく」と県の方針を述べた。