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北陸工業新聞社
2017/11/21

【石川】治水と文化財保護を両立/梯川分水路の竣工祝う/北陸整備局ら

 北陸地方整備局と梯川水系河川改修促進期成同盟会(会長・和田愼司小松市長)の主催による梯川分水路竣工式が19日、小松市天神町の現地で開かれ、国や県、小松市および議会関係者、地域住民、施工業者らが参加して計画策定から21年の月日を費やした一大事業の竣工を祝った。
 梯川分水路は、河川改修にあたり重要文化財「小松天満宮」を現在地で保全するために輪中堤(浮島)方式が採用された全国でも珍しいケース。式典では、小俣篤北陸地方整備局長が「梯川の治水安全性を高めることは地域の発展の基礎となり、竣工式を区切りとして一層の整備促進を図る。これまで進めてきた河川改修が安全、安心に貢献したものと確信しており、用地を提供して下さった地権者の皆様に感謝したい」、谷本正憲知事が「小松天満宮の創建時の姿をそのまま残すこと、治水効果を高めることを両立する難工事を国土交通省の決断により実施していただいた。引き続き上流へ向けて安全性を高めていただきたい」、和田市長が「行政、住民、施工者の三位一体となったチームワークで実現できた歴史を尊重したまちづくり。多くのみなさんにインフラツーリズムに訪れて欲しい」、国土交通省水管理・国土保全局の小平卓治水課長が「国土交通省の総力をあげて防災、減災に取り組みたい」などとそれぞれあいさつ。佐々木紀衆議院議員、宮本周司参議院議員も祝辞を述べた。
 小松城の守り神として1657年に創建された小松天満宮を取り囲む輪中堤は南北方向に約70メートル、東西方向に約220メートルの大きさ。分水路は幅約20メートル、延長約320メートルで低水護岸には植生機能付きの大型ブロックや魚巣ブロックを採用している。
 事業展開にあたっては歴史を活かした小松市のまちづくり、小松大橋架け替えを柱とする石川県のみちづくりと一体となった整備が行われた。

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