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西日本建設新聞社
2017/11/29

【熊本】鉄道会社主体で災害復旧 近く設計者選定へ

 南阿蘇鉄道再生協議会(会長・田嶋徹副知事)の第5回会合が25日、県庁であり、南阿蘇鉄道会社が災害復旧事業を主体的に行うことが決まった。復旧に係る設計や工事発注も担当。現在、全体復旧設計者の選定作業を進めており、近く決定する。
 南阿蘇鉄道の復旧費用は、当初計画で約65〜70億円(@第一白川橋梁40億円A犀角山トンネル・戸下トンネル20〜25億円B立野橋梁他5億円)が試算されている。
 前回の会合で犀角山トンネルの復旧方法の変更を示している。上部の山を掘削してトンネル区間をなくす計画で、変更により事業費を約5億円削減、復旧期間も半年ほど短縮できる見通し。
 具体的には、山自体を切り取って全区間明かり部にする方針で、不安定斜面の安定化(白川右岸斜面掘削)を河川維持事業、犀角山トンネルの撤去を鉄道災害復旧事業、斜面掘削を立野ダム管理用道路整備事業で行う。トンネル部をなくすことで、最も被害が甚大な第一白川橋梁復旧の工事用道路としても活用できるという。近く着手する全体復旧設計の結果をもとに、全線復旧の時期等も示す考え。
 再生協議会ではこのほか、線路や用地の保有者を別事業者に移行する上下分離方式の方針を決定。災害復旧完了後に県、南阿蘇村、高森町が新法人を設立し、鉄道会社から全区間の施設と土地を無償で譲り受ける。新法人は全線復旧後の設備投資と維持管理費を負担し、鉄道会社に施設と土地を貸与する。

提供:西日本建設新聞社
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