トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2017/12/22

【東京】都 葛西臨海水族園整備で検討会がスタート

 東京都建設局は、老朽化や社会環境の変化を踏まえ葛西臨海水族園を持続的に発展していくため再整備する方針だ。これに先立ち12月20日に同園で葛西臨海水族園のあり方検討会(座長・西源二郎東海大学客員教授)の初会合を開き、都が委員に施設内容や抱えている課題について説明した。2018年2月ごろに予定している第2回の会議から、具体的な検討に入る。
 同園は、葛西沖土地区画整理事業の一環で整備された葛西臨海公園内(江戸川区臨海町6)に立地。約8万6000平方bの園地に、鉄骨鉄筋コンクリート造3階建ての本館などの施設がある。延べ床面積は1万5799平方b。展示・予備を含めた総水量は約4600dで、日本初となるクロマグロの展示で知られる。設計は谷口建築設計研究所(千代田区)が担当し、1989年10月に開園した。
 施設としては、設備の更新やバリアフリーへの対応が課題となっている。設備では、ろ過タンクを交換する場合、建物の壁面などを壊す必要があり、配管は躯体と水槽と一体となっているため、交換が困難な状況だ。階段を利用しないと観覧できない展示や、エレベーターが1基しかないなどの理由から、バリアフリーの面でも課題がある。また、小池百合子知事が注力する「東京の魅力の発信」に関連し、発信力の強化も求められている。
 検討委員会は西座長の他、池邊このみ(千葉大学大学院教授)、海津ゆりえ(文教大学教授)、川廷昌弘(博報堂DYホールディングス部長)、木下直之(東京大学大学院教授)、小林牧(東京国立博物館課長)、佐藤哲(愛媛大学教授)、千葉千枝子(淑徳大学教授)、鳩貝太郎(首都大学東京客員教授)の8人で構成。
 初会合では、「世界のどこにもない水族館を作ろうという思いが大切」「バーチャルしか知らない子供たちに、本物を教える場としたい」「人と人の交流を生み出す空間づくりが必要」といった意見が出た。7月までに5回の会議を開き、報告案をまとめる。

提供:建通新聞社