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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/12/22

 【茨城】水戸市が新市民会館にECI導入/来年2月にも公告、予定者決定は6月ごろ 

 水戸市は、泉町1丁目北地区第一種市街地再開発事業で整備する新市民会館の建設工事について、実施設計段階から施工者が参画するECI方式を導入することを決めた。順調ならば来年2月にもプロポーザルを公告し、6月上旬ごろに施工予定者を決定する。オープンは2022年9月を予定しており、建築工事等は約27カ月の工期(解体工事は約9カ月)を想定しているが、同方式を導入することで一日も早い完成を目指す。
 21日の市議会第19回新市民会館建設および周辺整備調査特別委員会で執行部が報告した。
 新市民会館は、泉町1丁目北地区(約1・4ha)に再開発事業で整備する。概算事業費は約192億円。規模はRC・S・W造4階、地下1階建て、延べ2万2800・3u(建築面積約7145u)。施行者は泉町1丁目北地区市街地再開発組合。
 RC造の大ホール(2000席)を耐火木部材のやぐらで囲む大型・都市型建築物では先進的な構造。中心市街地の新たなシンボルとなることが期待されている。設計は伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所共同企業体。
 最高高さは35・8m。耐震壁付きラーメン構造で、大地震発生時にも建築機能を維持できるようにする。四方をやぐら状の木組み(52cm×67cm、耐火木柱)で包み、水戸藩城下町の力強い風格を表現。外周部の木柱の表面は、保護のためアルミキャストパネルで覆う。南側を除く外装には日射遮蔽効果のあるルーバーも設ける。
 新市民会館は、20年度内の完成を目指していたが、基本設計の遅れなどで17カ月ずれ込み、現時点では2022年9月にオープン予定。
 多くの市民から一日も早いオープンが期待されているため、発注方式を検討した結果、ECI方式を導入することとした。
 同方式の導入により、品質、工程、コストの各面で合理的な設計が可能になるほか、資材調達の準備を早い段階から行うことが可能となり、工程上のリスクの低減が期待できる。また、入札不調のリスクの低減も見込むことができる。
 市では、建設中の東町運動公園新体育館(緑町2―3―10)で同方式を導入した実績がある。工期は約28カ月を想定していたが、3カ月程度の工期短縮を図ることができる見通しで、19年の茨城国体に向けて順調に工事が進む。
 他の導入事例では3〜5%程度の工期短縮が実現できているようで、新市民会館についても2カ月程度の短縮を期待しているもよう。
 また、東町運動公園新体育館と同じように、発注者支援業務をコンサルへ委託することになる。
 今後は要項の作成などを進め、来年2月中旬までには公募型プロポを公告する見込み。6月上旬ごろに施工予定者を決定し、権利変換計画認可、地上解体工事(4カ月)、地下解体工事(5カ月)を経て、19年12月ごろから建築工事に着手。
 当日は、出席した委員からできるだけ多くの地元企業が参画できるよう要望があった。執行部は、「JV組成を条件とすることで地元企業の参画が可能となる」「施工予定者選定時の評価項目に下請業者の地元企業活用提案を求めることで、他業種の地元企業の参画機会の確保が可能となる」などと答えた。