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建設新聞社(長崎)
2017/12/26

【長崎】建設関連業務 最低制限価格見直しに前向き

建設関連コンサルタント4団体が初の合同要望
   公契連モデルを参考に検討
 (一社)長崎県測量設計コンサルタンツ協会(森重孝志会長)、(一社)長崎県地質調査業協会(桐原敏理事長)、(一社)長崎県建設コンサルタント協会(谷川達夫代表理事)、(一社)日本補償コンサルタント協会九州支部長崎県部会(鵜殿雅彦会長)は20日、最低制限価格の見直しなど3項目を県に要望した。
 厳しい環境の中、業界としてさまざまな課題に取り組んでいるものの「私共だけでは解決できない問題もある」(森重会長)とし、建設関連コンサルタント4団体として初めて合同で要望。中村法道知事は、最低制限価格の見直しについて前向きな姿勢を示した。
 代表してあいさつした森重会長は「若者が県内に残り、希望を持って働ける業界になるよう、経営安定や技術力向上、品質確保といった各種課題に取り組んでいる。発注者の良きパートナーとなり郷土の発展に尽くしたい」と述べ、県に地元企業の育成に向けた施策の展開を求めた。
 最低制限価格についてはまず、会員らが高校への出前講座やインターンシップなどで積極的に活動しているものの、若者の採用に苦慮している実態を説明。この改善には、給与水準や福利厚生を大都市圏並みに向上させることが必要だが、利益率が低迷している現状では困難とし、適正利潤を確保する観点から最低制限価格の見直しを求めた。
 中村知事も、若者が県内に残り活躍する環境が重要だとした上で、現在一律75%に設定している最低制限価格を「公契連モデルを参考にしながら、それぞれの業務特性に応じて設定することを含め、検討を進める」と、前向きな回答をした。
 残る要望事項のうち県内企業の活用≠ヘ、県内企業への設計業務の発注率が九州他県に比べて低いことを踏まえたもの。昨年度から試行している「比較的高度な業務」を対象にした県内企業向けの一般競争入札の継続と、本年度に試行を再開した「高度な業務」を対象にした県外企業と県内企業のJVによる一般競争入札の適用拡大を求めた。

  高度業務JV 主要業務を大手と県内企業が共同で行えるよう配慮
 中村知事も「県内の業務は県内企業に受注していただくのが好ましい。ぜひもっと受注していただけるよう、技術力の向上に励んで下さい」と期待。同席した岩見洋一土木部長は、2010〜11年に行った前回の試行は、「工期が短く、JV間で技術的な議論をする時間的余裕がなかった」と反省。現在の試行では、業務の主要部分を大手企業と県内企業が共同で行えるよう配慮をするなど、県内企業の技術力向上につなげる独自の仕組みを構築しているとした。
 三点目の要望は電子入札の導入。紙入札では、離島などへの移動に多くの時間と費用を要すると訴えた。知事は、入札で離島に訪れることが地域活性化につながるとしつつ、業界の負担が大きいことも認め、「取り扱いを検討する」と応えた。
 要望の場には、測量設計コンサルタンツ協会顧問の徳永達也県議会副議長も同席した。ksrogo