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建通新聞社(東京)
2018/01/09

【東京】都 無電柱化促進へ公社活用、本体工事の一部も事業者に委託

 東京都建設局は無電柱化事業の促進策として、東京都道路整備保全公社や電気・通信事業者を積極的に活用する方針を固めた。公社については、都が委託する設計・施工の範囲を広げることで、都が手掛ける事業量を拡大する。電気・通信事業者には、既存ストックがある場所で無電柱化を実施する際、本体工事の施工を委託し、事業者が引込連係管工事と一括して施工することで工期短縮につなげる。
 都市防災機能の強化や安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を目的に、都は2017年9月に「無電柱化推進条例」を施行。都と区市町村、関係事業者、都民の連携の下に事業を進めることを基本理念とし、道路上への電柱・電線の設置抑制や撤去を都の責務と定めた。事業者に対しても電柱や電線を道路上に新たに設置しないことを求めている。3月末までに「東京都無電柱化計画」を策定し、今後展開する具体的な施策を盛り込む方針だ。
 ただ、都が現在の執行状況(年間平均整備延長17・5`)で、残る都道全線(延長1743`)を無電柱化するには約100年かかり、そのコストは総額約1兆2000億円に上るという。1`当たり7億円(両側歩道への整備、国土交通省調べ)とされる整備費の縮減や工期の短縮、地上機器のコンパクト化などが事業推進に当たっての大きな課題となっている。
 こうした状況の中で無電柱化事業を加速するため、道路整備保全公社を積極的に活用する。公社は現在も、都が重点的に事業を進めているセンターコアエリア(山手通りと荒川に囲まれた区域)内または緊急輸送道路のうち、新設・拡幅を伴わない現道整備の一部で無電柱化事業を担っているが、これをさらに拡大し、事業量の増加に対応する。
 これに先立ち都は、公社の中長期的な人員の確保と、高い技術力を確保するため支援体制を整える。公社の職員数や採用数は、都との協議を経て確定しているが、その時期が遅く、採用活動に支障を来しているため、公社が自主的で柔軟な職員の採用・育成を可能にできるようにする。
 また、通常の無電柱化工事では、都や公社が電線共同溝の本体工事を実施した後、電気・通信事業者が引込連係管工事を別途実施している。既存道路で事業者が独自に高圧ケーブルなどを埋設している場所で無電柱化を進めるケースでは、電線共同溝の本体工事も事業者に委託する。事業者が本体工事と引込連係管工事を一括して施工することで工期を短縮する。

提供:建通新聞社