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建通新聞社(東京)
2018/01/12

【東京】都 複数単価契約に総額競争方式導入

 東京都財務局は複数単価契約を行う工事や委託案件に「総額競争方式」を取り入れる。現在の単価交渉方式では、設定している全ての項目の予定単価について、見積もり単価が下回るまで減価交渉を行っているが、受発注者双方の負担が大きいため、より簡易に契約先(受注者)を決定できる方式に変更する。年度内に契約手続きを始める2018年度予算の案件で試行を始める。
 複数単価契約の案件ではこれまで、指名した業者から見積書を徴収し、各項目の見積もり単価にそれぞの予定数量を乗じた総額を比較し、最も価格の安かった業者を交渉先に選定。その上で、全ての項目の見積もり単価が予定価格を下回っているか確認し、予定価格を上回っている項目があれば減価交渉を行い、全項目が予定価格以下となった後に契約している。ただ、設定している項目数が多い場合、減価交渉に伴う受発注者双方の負担が大きく、時間も要するため、より簡易に契約先を決定できる方法として「総額競争方式」を取り入れることにした。
 同方式では、都が設定する予定推定総金額(予定価格)と、業者の見積もった推定総金額(見積もり額)を比較し、都の予定価格を下回り最低の見積額を提示した業者を落札者として決定。見積もり単価が予定価格を超過している項目があっても減価交渉はしない。
 また、これまでの単価交渉契約では、各項目に設定された数量を超えて発注することはできなかったが、総額競争方式では、発注金額が推定総金額に達するまで各項目に設定した数量を超えて発注できるようにする。
 これまでと同様、見積書(入札書)の提出時に内訳書の添付を義務付ける。内訳書の添付がない場合や、内訳書内の計算に誤りがある場合、見積書は無効とする。
 総額競争に切り替えることで、契約方式は随意契約だけでなく、規模な内容に応じて一般競争や希望制指名競争入札を採用する。
 2018年度予算を使って17年度中に契約手続きを始める財務局案件で試行を始める。各局の契約案件については、それぞれの局で総額契約方式導入の可否を判断して試行する。

 「ひとくちメモ」
 単価契約は、あらかじめ数量を確定することができないものについて予定数量を推定して単価を定め、一定期間内に供給された実績数量を乗じて代金を支払う契約方式。複数単価契約は、この単価契約が複数集まった契約形態を指す。都財務局が契約する案件については、パーティションの設置など工事系が年間数件、測量や物品など委託系が年間200件程度ある。各局で扱う道路維持や道路災害防除、河川維持といった委託業務も複数単価契約の対象となっている。

提供:建通新聞社