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建通新聞社四国
2018/01/23

【香川】有資格者点検義務化 県屋外広告物条例を一部改正

 香川県土木部は1月16日、県屋外広告物審議会(会長・松島学香川大学工学部教授)に一定の基準を超える屋外広告物の点検で有資格者による点検を義務付けるなどとした、県屋外広告物条例の一部改正案について報告した。同審議会で指摘を受けた意見や、今後開会予定の2月定例県議会に一部条例改正案を示した上で、10月の施行を目指す。
 2015年2月に札幌市で屋外広告物の落下による人身事故の発生を受けて、国は16年4月に屋外広告物条例ガイドラインを改正。広告物の設置者だけでなく所有者らに点検義務を追加し、その点検を屋外広告士など安全に関する専門的知識を有する者に限るとした他、点検結果の知事への報告義務を規定した。
 ガイドライン改正を受け、各自治体で屋外広告物条例の改正の動きが進んでおり、16年12月議会から17年12月議会まで大分県など8県で条例を改正した。
 四国では国のガイドライン通知の前に愛媛県が改正済みで16年10月から全国に先駆けて改正条例の施行に踏み切っている。
 県条例の改正では、屋外広告物の安全対策として、条例対象を落下することで生命・安全に危険を及ぼす恐れのある広告物(簡易広告物以外)とし、安全点検を義務付ける。例えば自家用広告で高さ10b以下、面積30平方b以下の場合、許可申請は不要だが点検義務が必要。このうち地上高4b超には有資格者による点検実施が求められる。これ以外の自家用広告と一般広告は許可申請を必要とし、点検を義務付けた。うち地上高4b超は資格者による点検義務と、点検結果の報告義務が求められる。地上高4b以下は有資格者による点検義務は求められないものの、点検結果報告は義務付けられる。
 特に、安全点検の方法で広告物の構造や安全性について専門的な知識を有する▽屋外広告業組合所属の屋外広告士▽1級または2級建築士▽第1種または第2種電気工事士▽屋外広告物点検技能講習修了者―などの有資格者による点検を義務付ける。点検結果は知事報告とし、詳細なチェックリストと写真の添付、目視検査などは実効性あるものとするため、今後、業界団体と協議しつつ規則で規定する(県土木部)、としている。
 この他、建設現場での仮囲いの取り扱いについては、一時的な設置であり、かつ周囲の景観に調和し宣伝用に供していないなど一定の基準を満たすものは、高松市の取り扱いと同様に、許可申請手続きを不要とする、規制緩和を行う。
 香川県内の広告物は中核市である高松市域は高松市、その他地域は県条例の規制を受けるが、県と高松市では同時期に条例改正の予定。

提供:建通新聞社