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建通新聞社(中部)
2018/01/29

【愛知】18年度着手目指す 金城ふ頭の耐震岸壁建設 国交省

 国土交通省名古屋港湾事務所は、名古屋港金城ふ頭(名古屋市港区)の再編改良事業で、予算が措置されれば2018年度にも耐震強化岸壁の建設工事に着手したい考えだ。同ふ頭の南側にある突端間の埋め立てと、その前面での耐震岸壁建設は、再編改良事業のメインとも言える。現在、埋め立てと締め切り護岸の施工を担う名古屋港管理組合が、環境影響評価などを進めており、埋め立てに必要な一連の手続きの完了を待って着工することになる。国が施工する耐震岸壁部分の工事の初弾は、深層混合処理船による地盤改良工となる見通しだ。
 金城ふ頭再編改良事業は、完成自動車の輸出機能を高めるため、港内に分散しているモータープールをふ頭に集約するというもの。総事業費は概算で約182億円に上る。このためふ頭南側の突端の間を埋め立て、その前面に耐震強化岸壁を建設する。15年度の事業着手後、これまでは既設84号岸壁の改良工事を実施しており、17年度に完了する見込みとなっている。
 今後は、事業の目玉とも言える耐震岸壁の建設に向けて、18年度の予算が措置されれば初弾工事に着手したい考え。
 耐震岸壁は、基礎工が基礎捨石、本体工はハイブリッドケーソン、上部工は場所打ちコンクリートで整備する。水深は12bで、延長260b。岸壁は護岸とともに海面を締め切る役割を果たすため、埋め立て事業の一部を構成することになる。このため、環境影響評価や埋め立て免許の取得といった一連の手続きの完了後に工事に着手する。
 初弾の工事は、深層混合処理船を用いた施工場所の地盤改良を予定している。地盤改良は複数年度にまたがる見通しだ。その後はグラブ浚渫船を用いた岸壁基礎の床堀に入る。基礎工ではガット船を用いて、基礎捨石を投入。潜水士船によりならす。その後、本体工では起重機船を用いてケーソンを据え付ける。据え付けの後、中詰材を投入し、蓋コンクリートを打設する。最後に裏込工として、ガット船などを用いてケーソンの裏側に裏込め石の投入などを行う。投入後、潜水士船と陸上機械によりならす。
 環境影響評価の手続きでは、工事の予定期間を22年度までに設定している。名古屋港管理組合による護岸工や埋め立て工とほぼ同時進行の海上施工となるため、船舶の場所取りなどや、付近で供用中の岸壁などで綿密な調整が必要になりそうだ。
 一連の調整作業も見据えて、同事務所は17年度、「名古屋港岸壁整備施工検討業務」を港湾空港総合技術センター(東京都千代田区)に委託。並行して事業中の飛島ふ頭再編改良事業も含めて、施工検討を行う。

提供:建通新聞社