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建設経済新聞社
2018/02/07

【京都】第一市場水産棟の改修工事 11月頃着工、増築は延3274u

 京都市は、京都市中央卸売市場第一市場(下京区朱雀分木町80)で計画の水産棟改修工事について、延3274u(建築面積1877u)の増築を行う。増築部分の建物高さは17・4m。
 昨年5月に明らかになった新水産棟整備に係る基本設計(担当は安井建築設計事務所)によると、新水産棟はS造及びSRC造3階建(塔屋2階建)、延約4万1400u(建築面積約2万8800u)。
 フロア構成は1階にエントランスホール、活魚スペース、仲卸売場、卸売場(鮮魚)、卸売場(塩干)、綜合店舗、手洗・足洗室、冷蔵庫、製氷機などを配置。2階に仲卸店舗(事務所等に使用)、見学者用通路など配置、3階に荷捌きスペース、プロムナード、駐車場、太陽光パネルなどを配置する。屋上階は駐車場、太陽光パネルを配置する。3階に買出人駐車場からアクセスするエレベーター、3階の出荷用トラックバースにつながる物流用エレベーターを設置する。
 水産エリアは約2万0200u(▽卸売場約4800u▽仲卸売場1階約1万2700u及び3階約1600u[ピッキングエリア含む]▽活魚スペース等約1100u[新水産棟内に集約])、綜合エリアは約1000u[新水産棟内に集約]。新機能のトラックバース(荷卸しのための停車スペース)が1階約4300u及び3階約700u、見学者用通路が2階約900u(通路距離約260m)、ガイダンスルーム約50u。
 既存の躯体を活用しながらも、内部構成を全面的に刷新。衛生管理の向上、物流の効率化、商いの活性化の3つの観点から機能面を向上させる。
 衛生管理の向上では、これまでなかった外壁を設置することで外部からの虫や小動物の侵入を阻止するとともに、空調による温度管理を可能とする。
 最新の食品安全国際規格であるFSSC22000への対応を実現するため、閉鎖型の空間とし、サニタリールームや仕切り壁を設置する。
 物流の効率化では、入荷動線を西側(新千本通側)、出荷動線を東側(JR嵯峨野線側)に分離し、動線の交錯を回避する。
 商いの活性化では、仲卸店舗を対面に配置し、一続きの中央通に買出人動線を集約するとともに、車両の通行を排除し、小売店・料理屋等の買出人がじっくり品定めができるようにする。
 市場の敷地全体を貫くメインストリートの新千本通に施設のエントランスや入荷用トラックバースを設ける。
 買出人をはじめ、来場者を迎え入れるエントランスホールは、内装材に市内産木材を使用した「おもてなしの空間」とする。周辺にはトイレなどのサニタリールームのほか、見学者用のガイダンスルームを配置する。
 2階には卸売市場に沿って、長さ約260mの見学者用通路を設ける。3階にはプロムナード(回廊)を設置する。
 新水産棟整備では、構造の強化により耐震性能を確保。マイクロコージェネレーションシステム及び非常用発電機、井水の活用により業務継続対策を講じる。
 2018年11月頃に着工し、2022年12月頃の完成予定。
 工事は南側の1期工事、北側の2期工事に分け実施する。1期工事は2021年度、2期工事は2022年度の完成を予定。
 概算事業費は約170億円。
 その後、2025年度に新青果等の1期工事、2028年度に2期工事を完成させる予定。