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北陸工業新聞社
2018/03/01

【福井】構造物の維持補修に高い関心/主催福井県コンクリート診断士会共催福井県建設技術公社/第13回技術セミナー開催/国交行政ひび割れのメカニズムを聴く

 福井県コンクリート診断士会(石川裕夏会長)が主催する第13回技術セミナーは2月26日開かれ、会員はじめ国県市など自治体やコンサル、施工の民間関係者に、県外からの熱心な参加も含め約150人が聴講し、構造物維持補修に対する関心の高さをうかがわせた。
 このセミナーは同士会が毎年開催。会員の資質向上を図り、併せてコンクリート構造物の公正な診断の必要性について広く一般にも認識を広めたい考え。福井県建設技術公社が共催し、国土交通省近畿地方整備局福井河川国道事務所が後援した。場所は福井市手寄のアオッサ県民ホールで。
 冒頭石川会長が挨拶し「コンクリート診断士は民間資格だが国交省の積極活用の方針に呼応し、福井は全国に先駆けて発足。一大特長は官公庁と民間が一緒に活動する点。構造物は、地域それぞれに固有の自然条件下にあって各地域で管理すべきを基本理念に活動を展開(地産地消)。継続的な対応が求められ、今後も自治体と連携共同し取り組みを強化したい」などと社会要請に応えていく意欲を示した。
 講師は2人。福井河川国道事務所の中村圭吾所長が同事務所の事業と技術、これからの国土交通行政について。また近未来コンクリート研究会の十河茂幸代表がコンクリートのひび割れにどう向き合うか〜インフラの長寿命化のためにをテーマに分かりやすく話した。

講師1人目の中村圭吾福井河川国道事務所長
 高速交通網が急速に整備される福井はこれからが飛躍のチャンス。福井の道路ネットワークは大きく変化しており、その影響は北陸・中部・関西に及ぶ。グリーンインフラは優秀な人材を集め、都市の生産性を向上させるキーワード。建設産業は激変期にあり、福井はCIMなどの分野でベストプラクティスを生み出す素地がある。

2人目の十河茂幸近未来コンクリート研究会代表
 ひび割れを初期(沈下、温度、乾燥収縮)と劣化(鉄筋腐食)、コンクリート自体の劣化(中性化、塩害、凍害、ASRなど)に分類し、各メカニズムを解説。提案としてコンクリートは永久構造物とし、既存の構造物は健康寿命を延ばす。コンクリート診断士の増員は急務で、点検・診断契約システム構築など活躍に期待する。

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