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建通新聞社四国
2018/03/02

【香川】県環境審生活環境部会 水質測定計画承認

 県環境審議会生活環境部会(部会長・新見治香川大学名誉教授)が2月26日、県庁北館で開かれ、2016年度の水質測定結果の概況を示した。18年度水質測定計画案について審議。原案通り承認した。
 水質測定計画は香川県の公共用水域と地下水の水質汚濁状況を常時監視するために行うもので、公共用水域では生活環境項目(一般項目)で12、健康項目27、特殊項目6、その他項目で実施する。地下水は環境基準項目の28項目とその他項目で実施する計画。
 環境基準監視調査は河川で国土交通省、県と高松市が土器川、馬宿川、香東川など31河川35水域(環境基準点35地点、環境基準補足29地点)で水質測定を行う。
 海域では県が東讃海域など3水域(環境基準点32地点、環境基準補足7地点)で水質測定を実施。地下水は国土交通省、県と高松市が定点方式で概況調査を行い、地下水汚染の継続的な監視として行う継続監視調査を、県と高松市が実施する。
 この他、高松市他9市町が78河川(102地点)で水質調査を行う。三豊市が1河川(1地点)で河川底質調査を実施する予定。海域では高松市他9市町が63地点で水質調査、県と5市町が17地点で海域の底質調査を実施する。県では東讃海域・備讃瀬戸・燧灘東部で調査している5地点を3年で一巡するローリング調査を実施しており、18年度は燧灘東部の1地点で調査する。ダム、ため池では県が15ダム60地点、他の市町などが1ダム1地点で水質測定を実施。ため池は17年度と同様、県と高松市他6市町が50ため池(52地点)で水質測定を行う。地下水は、17年度と同様に多度津町が7地点で調査を行う計画。
 16年度水質測定結果によると、カドミウムや全シアンなど27項目に及ぶ健康項目は河川20地点、海域10地点の全ての測定地点で環境基準を達成。生活環境項目では、河川の生物化学的酸素要求量(BOD)は35の類型指定水域の環境基準達成率69%(24水域)で、15年度(86%)に比べマイナス。
 海域の化学的酸素要求量(COD)は類型指定水域(7水域)の環境基準達成率29%(2水域)。15年度の43%から落ち込んだ。いずれもここ数年同程度で推移しているものの、全国平均より低い達成基準から改善が必要としている。
 一方、全窒素および全リンに係る環境基準は4水域で全て達成(15年度100%)、水生生物保全項目に係る環境基準は類型指定水域(5水域)全てで環境基準を達成した。県は河川や海岸の水質を保全するため水質総量削減計画に基づき、CODや窒素・リンの削減で、工場・事業場について排水基準を順守するよう規制と指導をより徹底する。生活排水では下水道や合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の整備を計画的に行う。農畜産業の排水対策は化学肥料施用量の低減と家畜排せつ物の処理・適正利用を指導する。

提供:建通新聞社