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建通新聞社四国
2018/03/02

【徳島】徳島市 駅周辺まちづくり素案を議会に示す

 徳島市は、鉄道高架事業の一環で進めている徳島駅周辺まちづくり計画の見直しについて、現状の線路の北側(車両基地)を高架化するなどし、十分な駅前広場を確保した計画素案=図=を2月23日の市議会まちづくり対策特別委員会(事前)に示した。今後は6月下旬の計画策定を目指し、必要な手続きを進める。また、2018年度のまちづくり事業の取り組みとして、鉄道高架とまちづくりの早期実現を目指すため、徳島県やJR四国などの関係機関との協議を進めながら、計画内容の深度化を図りたいとし、駅前広場の規模や施設配置などを検討するための関連事業費3132万円を当初予算案に盛り込んだとし、理解を求めた。
 現行計画からの見直しのポイントは、▽市のシンボルとなる「にぎわい交流軸」の形成(車中心から人中心のまちへ)▽鉄道線形の変更により、駅南側に広大なにぎわい空間を確保▽公共交通の利用を促進するため、交通結節点の機能を強化−など。駅周辺のまちづくりのコンセプトとして「にぎわい交流軸」を形成し、駅周辺ならではの地域資源や都市機能と駅の来訪者をネットワークでつなぎ、より一層のにぎわい創出を目指す。「にぎわい交流軸」の形成に当たっては、鉄道高架の位置を可能な限り(徳島中央公園側)に変更し、駅南側で都市機能と駅前広場空間が一体的につながったにぎわい空間を確保する。
 また、まちづくりのコンセプトや実現に向けて@四国東部の中核都市にふさわしい都市機能を集積し、にぎわいを創出するA地域資源を身近に感じることができる都市景観と、人々が歩いて楽しみ、滞留や交流が生まれる居心地よい公共空間を創出するB安全・快適に移動・回遊できる人と環境にやさしい交通体系や空間を整備し、人々の動きやにぎわいをまち全体に拡大させるC多様な運営主体によるまちづくりのハード・ソフト両面の取り組みを強化・支援することで、まちににぎわいと活気をもたらす−といった四つのまちづくり方針を掲げた。
 車両基地の移転を前提に、約20年スパンの高架事業、そしてまちづくりを進めるという市の考え方に、委員からは「中心市街地のまちづくりが高架事業後まで置き去りにされるのか」などと懸念する声もあった。また「着工準備採択時(05年度)に作成した鉄道高架に必要な概算工事費750億円は今後膨らむ可能性もある」とし、「まず事業費を一度精査して、議会の一定のコンセンサスを得て進める必要がある」などとする意見もあった。交通広場と歩行者・にぎわい空間の配置が大きく換わることから、動線の確保について質問する委員もいた。
 事業費の見直しについて市は、今後まちづくり計画案が県とJRにおおむね合意を得られた時点で算定に入りたいとし、理解を求めた。また素案について、3〜4月にパブリックコメントを行い、6月には計画最終案として議会に報告。6月下旬の計画策定と公表を目指すことにしている。
 市は18年度当初予算案に鉄道高架関連事業費として駅前広場などの規模や施設配置を検討する予算2200万円。また、新町橋通り(国道438号)の道路空間再編を検討する予算829万円などを盛り込んでいる。

提供:建通新聞社