トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2018/03/06

【東京】都 多摩モノレール延伸など検討深度化

 3月2日に開かれた2018年第1回東京都議会定例会では、国の交通政策審議会の答申を踏まえた都の鉄道整備に対する考え方に質問があり、邊見隆士都技監が「検討を深度化するための調査費を増額するとともに、鉄道新線建設等準備基金を創設することで新線整備に対する都の取り組み姿勢を明確にする」と答弁。多摩都市モノレール箱根ケ崎延伸など6路線を中心に、課題解決に向けた協議や検討を進めていく姿勢を打ち出した。
 交通政策審議会の答申では、東京圏の都市鉄道が目指すべき姿を実現する上で「意義のあるプロジェクト」として、▽都心直結線の新設(押上〜新東京〜泉岳寺)▽羽田空港アクセス線の新設と京葉線・りんかい線相互直通運転化(田町駅付近・大井町駅付近・東京テレポート〜東京貨物ターミナル付近〜羽田空港、新木場)▽新空港線の新設(矢口渡〜蒲田〜京急蒲田〜大鳥居)▽常磐新線の延伸(秋葉原〜東京<新東京>)▽都心部・臨海地域地下鉄構想の新設、同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部〜銀座〜東京)▽東京8号線(有楽町線)の延伸(豊洲〜住吉)▽都心部・品川地下鉄構想の新設(白金高輪〜品川)▽東京12号線(大江戸線)の延伸(光が丘〜大泉学園町〜東所沢)▽多摩都市モノレールの延伸(上北台〜箱根ケ崎、多摩センター〜八王子、多摩センター〜町田)▽東京8号線の延伸(押上〜野田市)―などが位置付けられた。
 都は18年度に鉄道新線建設等準備基金を創設した上で「羽田空港アクセス線(田町駅付近等〜羽田空港)」「新空港線(蒲田〜京急蒲田)」「有楽町線(豊洲〜住吉)」「大江戸線(光が丘〜大泉学園町)」「多摩都市モノレール(上北台〜箱根ケ崎)」「多摩都市モノレール(多摩センター〜町田)」の6路線について、事業化に向けた検討をさらに深めていく考えだ。
 邊見都技監は、新たな基金の目的などを説明した上で、羽田空港アクセス線について「(東京臨海高速鉄道)りんかい線や上野東京ラインなど既存の鉄道ネットワークと接続することで広範囲にわたる空港アクセスの利便性が向上する効果が期待されている一方、国の答申では他の空港アクセス路線との補完関係を考慮しつつ事業計画の深度化が必要と指摘されている。具体的な事業スキームについてJR東日本や国など関係機関との協議・調整を加速する」と答弁。
 また、多摩都市モノレールに関しては「開業区間と一体となり、多摩地域の活力や魅力の向上につながる路線。整備に向けては多摩都市モノレールの経営状況や土地区画整理事業の進捗など周辺の開発動向を踏まえ、コスト縮減策や収入確保策、事業採算性を見極めながら検討を行う必要がある。18年度は検討を深度化するため調査費を増額しており、沿線の市町、多摩都市モノレールとともに課題解決に向けた協議や検討を進める」との意向を示した。

提供:建通新聞社