トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2018/03/06

【京都】洛陽工跡の新普通科系高校 30年度は解体、埋文、設計

 京都市教育委員会は5日、南区の洛陽工業高校跡地に計画の新普通科系高校施設整備事業に係る配慮書を明らかにした。
 京都市立高校で最も狭く、老朽化が進み、建物全体の約7割で耐震補強が必要な塔南高校(南区吉祥院観音堂町41)を、洛陽工業高校跡地(南区唐橋大宮尻町22の敷地面積3万2119u)に移転・再編し、新普通科系高校を創設、延約1万7000u規模の新校舎等を建設する計画。
 校舎・体育館棟、グラウンドの配置などを念頭に、北側配置、東側配置の2案を検討。両案ともに高さ規制を最大限に活用した4階建で、長方形の1棟。総合的に評価した結果、北側配置案に基づき事業を進めるとした。
 北側配置案は、既存の校舎・体育館棟の配置にならい、敷地北側に最もコンパクトな平面形状として校舎・体育館棟を配置する。メリットは「教室が交通量の多い御前通から離れており、落ち着いた学習環境が確保できる」「普通教室は南面採光が可能な配置となり、明るく開放的な学習環境を確保できる」「校舎・体育館棟の平面形状がコンパクトで動線が短い」「グラウンドが整形地で確保でき、日照環境が良い」、デメリットは「北側・西側・東側住宅地に校舎・体育館棟が近接するため、圧迫感を生じる」。
 工事による影響は「工事車両は敷地東側の御前通からの進入となるため、工事車両の通行に伴う隣地への大気・騒音・振動の影響は小さいと考えられる」「工事車両進入口は既存正門を使用することが可能なため、歩道の切り下げや、進入口を新設する必要がない」「工事車両の北側近隣に対する騒音・振動の影響が東側配置案より少ない」などとした。
 既存校舎・体育館棟より校舎・体育館棟が3・5m〜4・0m程度高くなり、景観に与える影響が大きく配慮が必要なため、北側配置案では「敷地北側の敷地境界からセットバックして校舎・体育館棟を配置する。敷地境界線から11m以上セットバックするため、敷地周辺への圧迫感が東側配置案より少ない」「外壁面が大きくなるため、建物形状や庇等によるボリュームの分節化を図り圧迫感を軽減させる」などとした。
 28年度に基本構想を策定、29年度に基本計画を策定し、30年度から基本設計・実施設計を進め策定し、建設工事に着工する予定。基本構想、基本計画はそれぞれプロポーザルで選定し、松田平田設計大阪事務所(大阪市西区)が担当。
 基本構想段階における概算事業費は建設費が約70億円、洛陽工業高校解体費用が約5億円を想定(ともに税抜)。
      ◇
 29年度事業で「新普通科系高校」整備事業に伴う土壌調査業務をユーロフィンEAC、「新普通科系高校」整備事業に伴う土壌調査業務(深度及び地下水調査)を応用地質で実施。
 既存の教室棟(RC造3階建・塔屋付、延7040u)、実習棟(RC造3階建(5棟)延1万2369u)、図書館棟(SRC造3階建、延967u)、体育館棟(RC造一部S造平屋建、1358u)、プール棟(RC造平屋建、538u)、食堂棟(RC造平屋建、356u)、複合施設棟(RC造3階建、延1550u)の解体撤去を行う洛陽工業高等学校教室棟等解体撤去工事は開会中の2月市会に提出した。施工は津田−寺村特定建設工事JV。竣工期限は着工命令の日から8ヵ月以内。
 30年度の予定は解体撤去工事のほか、埋蔵文化財発掘調査及び基本設計・実施設計に着手する。