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日刊建設工業新聞
2018/03/07

【鳥取】双方に落ち度も主張を認める/岡田建設の申し立て

 県建設工事等入札契約審議会(会長・谷口朋代鳥大大学院工学研究科教授)は5日、岡田建設(日南町)が申し立てた工事成績に対する異義内容を審議し「総合的に申立人に分がある」(谷口会長)と判断。県に工事成績を修正するよう意見した。
 現場は昨年10月20日に完成検査を終えた日南町阿毘縁の県道拡幅工事。工事成績は65点だった。
 当初の工期10月2日を控えた9月28日、法長2bの路体盛り土の一部が崩れ、申立人は手直しのため工期延期を発注者と協議。発注者は想定を超えた範囲から雨水が流入して崩壊したもので「不可抗力」と判断し、10月10日まで工期延期を認めた。
 ところが10月2日になって再度、同じカ所が洗掘されて崩壊。発注者が湧水を確認し同6日、協議書で対策工に暗渠排水管の設置などを指示するとともに、工期を同13日まで再延長を許可した。
 また、同6日付で発注者は、洗掘対策が不適切との理由で「契約図面の形状を満たしていない」と、受注者に対し改善指示を出していた。
 工事成績チェックシートの「出来形」では、監督員が文書で改善指示した場合は「d」評定(マイナス10点)を付けることになっており、申立人は発注者から指示された通りの復旧工事で「洗掘対策は十分だった」と主張。
 さらに、初回に崩落した後の協議書には、発注者の回答欄に想定を超えた雨水の流入による「不可抗力」と記載してあり、改善指示に理由がないと訴えた。
 入契審は非公開で審議した結果、各委員の間で意見がきっ抗。最終的に谷口会長は「双方に落ち度が認められる」とした上で、「総合的にみると申立人に分がある。検査結果に再考をいただきたい」と答申した。
 県は答申結果を受け入れ、工事成績を見直す方向だ。県工事検査課は「d」評定を取り消すなど、成績点を上方修正する見通し。


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