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建通新聞社四国
2018/03/09

【香川】新規に民間住宅耐震補強低コスト工法モデル

 香川県は、より合理的で安価な工法(低コスト工法)による耐震補強工事の普及を促進するため、2018年度当初予算案に新規に「民間住宅耐震補強低コスト工法モデル事業」の所要額を盛り込んだ。天井や床および壁の撤去は極力行わず、既存壁にそのまま補強工事を行う低コスト耐震補強の支援や広報を通じて耐震化の裾野拡大を狙う。
 県が13年度に実施したアンケートでは、診断後の改修の意向について「費用面で難しい」「日常生活に影響がある工事なので難しい」―との回答が多かった。
 耐震化補助制度をリニューアルし、より簡易で安価な補助メニューが広がりを見せる中で県が注目するのは、愛知建築地震災害軽減システム研究会議の「木造、低コスト耐震補強の手引き」に掲載されている、天井や床、壁の撤去を行わず、構造用合板などを使って既存壁にそのまま補強工事を行う施工方法。
 この工法によると天井と壁を極力撤去せず、構造用合板などを使って既存壁にそのまま補強工事を行うため、▽一般的な工法に比べ安価な施工が可能▽工期が短縮され、工事による生活の制限が少ない▽騒音や粉じんが少ないためストレスが軽減するなど―の効果が期待できるという。見栄えは若干悪くなる反面、耐震性能は安価でも満足できるメリットがある。
 県は15年度から年1回、建築士ら技術者向けに「低コスト工法」に関する講習会を開催してきたが、18年度から県民に対し積極的に普及を促進するため、新規にモデル事業に取り組むこととした。同事業により話題性があり実際に行っている工事を取り上げることで、耐震改修工事をより県民の身近なものとしたい考えだ。
 同事業では低コスト工法を使って耐震改修工事を実施するモニターを公募。現場見学会や完成見学会のインタビューに協力してもらうなど、モデルケースを活用した広報活動について委託する。
 さらに、施工者に直接補助金を支払う代理受領制度の活用を義務付けることで、制度化していない市町への導入を促すとともに、県民への利用促進を図る。

提供:建通新聞社