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建通新聞社(中部)
2018/03/13

【岐阜】高校生が学び舎のトイレ設計 岐阜県が近く工事発注

 工業高校生が一部設計に携わった県の工事が発注される―。岐阜県教育委員会は、高山工業高校体育館屋根外壁等改修工事を3月中に公告する。この工事では、体育館の改修を行うとともに、屋外トイレの改修工事も予定している。トイレの改修設計は、実施設計を担当している白鳥建築設計事務所(高山市)が監修しながら、県の担い手確保事業の一環として、同校建築インテリア科の生徒4人がまとめた。工事は4月に着工し11月末の完成を目指す。
 改修工事を行うのは、体育館と屋外トイレ。体育館が1988年、トイレが91年に建設され、26年以上経過しており老朽化が進んでいる。
 体育館は鉄筋コンクリート造平屋1350平方b。鉄板葺きの屋根の塗装し直しや、外壁の吹き付け塗装の他、内装で傷んでいる部分を修繕する。
 トイレの規模はコンクリートブロック造平屋の20平方b。生徒がまとめた改修計画案によると、屋根のシート防水を張り替え、外壁はブロックの目地が分からない仕上げとする。また、和式トイレを洋式化し、床は乾式とする。武道場側(南側)の出入り口を撤去して採光窓を設置する。
 メインのドアは衛生面などに配慮して引き戸に変更する。男子トイレの個室は西側に並列に配置し小便器は東側の壁を円弧形にして放射状に設置することで同時使用時に目線が合わないように配慮した。
 高校所在地は、高山市千島町291。
 
 =男女4人の生徒が授業の一環で設計=
模型を前に 設計した高校生
 トイレ改修の設計に携わったのは、高山工業高校建築インテリア科の生徒で、野内真有さんと水上真実さんがCADを使って立体的に完成イメージを作成した。これを元に直井和希さんと藤島啓佑さんが模型を作製した=写真。生徒がまとめた設計図は、白鳥建築設計も「細かい部分の修正はあるが、ほぼこの内容で問題はない」と太鼓判を押したという。
 生徒は、2017年8月から授業の一環として週6時間を充て、トイレ改修に向けたコンセプトを設定し改修計画案をまとめ、実際に設計図を書き上げた。「多くの人が利用するので、衛生面への配慮や使いやすさなどにこだわった。完成後の利用者の感想が聞きたい」などと話した。
 県は、若者の建設業への人材確保などの観点から、設計事務所と連携して生徒を設計に関わらせた。また県は、4月以降の工事には、新3年生に現場の工程を見学させるなどしたいと考えている。

提供:建通新聞社