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建通新聞社(神奈川)
2018/03/14

【神奈川】横浜市 100〜400_鋳鉄直管に粉体塗装管

 横浜市水道局は2018年度から、口径100〜400_のダクタイル鋳鉄管の直管に、内面にエポキシ樹脂粉体塗装を施した「粉体塗装管」を採用する。水需要の減少に対応したダウンサイジング施策の一環で、敷設替え時に小口径化すれば内面がモルタルライニングの従来品よりもコストを抑えられることなどが理由。既に早期発注工事で採用を始めており、18年度は更新延長110`の約20%に当たるダウンサイジングと、222億円余りの事業費ベースで4億2000万円程度のコスト削減が可能と見ている。
 エポキシ樹脂粉体塗装はダクタイル鋳鉄管の内面防食法の一つ。昭和40年代後半に開発され、異形管を皮切りに直管でも採用が進んで、昭和50年代後半には先発のモルタルライニングとともに標準化された。
 最大の特徴は薄さで、モルタルライニングが厚さ4〜10_(口径75〜1200_)なのに対し、エポキシ樹脂粉体塗装は最低0・3_で済む。口径100_の管で比較すると断面積は約16%広くなり、表面の滑らかさもあって流量は27%増える。水に含まれる塩素も減りにくく、薬品の使用量を抑えられる。
 ただ、口径400_の直管ではモルタルライニングのものより材料費がおよそ10%高く、工事費も全体で約1%増加するため、口径75_以下を除いて粉体塗装管を採用してこなかった。
 水需要の減少に伴い、これまでも内挿管工法による小口径化や系統数の減少といった水道管のダウンサイジング施策を進めてきた。これらに加え、更新に際して敷設する新しい管の口径を既設管よりも小さくすれば、粉体塗装管であっても工事費を抑えられると判断。今年1月に水道工事施工要領を改正し、口径50_と同75_にとどめていた直管の粉体塗装管のラインアップに100〜400_を追加して、モルタルライニングのものから切り替えることになった。
 併せて、穿孔作業にはモルタルライニングのものとは異なる先端角90〜100度、ねじれ角5〜30度のドリルを使い、粉体塗装管と明記したポリエチレンスリープを用いるよう規定した。
 18年度の工事を通じてコストなどを詳しく分析し、更新事業費の抑制効果を具体的に把握していく。

提供:建通新聞社