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日刊建設工業新聞
2018/03/14

【鳥取】バイオマス燃料に活用/建設工事の支障木

 県土整備部は13日、公共工事を進める上で支障になる木材を伐採した際、木質バイオマス発電の燃料に活用する試行要領をまとめた。県内の燃料加工施設に搬出し、売却することで処分費を浮かせることができる。今後4月から施行し、各県土整備事務所・局が発注する工事と業務で5件以上実施する。
 試行対象は、おおむね500平方b以上の伐採を伴う工事や、幹周り10a以上の支障木を50本以上伐採する工事。そのほか道路植栽管理業務委託、緑地管理業務委託。
 支障木の処理ルールは現在、@木材市場に売却A再資源化施設へ搬出B最終処分場(焼却施設)への搬出−の優先順に処分している。
 県内にバイオマス発電施設は増えており、燃料需要が高まっている背景がある。同部は建設工事で処分する一部の木材を有価物として売却することは公共工事の実施者として有益だと判断した。
 試行要領では、現場説明書でバイオマス発電燃料加工施設への搬出を指定。同時に、積み込み運搬費を含めた経費が有利な搬出先を県内7つの燃料加工施設から選定し、概数で設計計上する。
 一方、工事受注者は売却予定の燃料加工施設に現地確認を依頼し、用材として利用価値が高いものは、まず木材市場への売却を検討。また、工事受注後に燃料加工施設や木材市場に売却できないと分かれば、協議変更して再資源化施設や最終処分場に搬出し、あらためて処分費が計上されることになる。
 支障木をバイオマス燃料に利用することに、同部では「これまで処分費を計上していた分、工事費を安くあげることができる」(技術企画課)と、メリットを話している。
 搬出先のバイオマス発電燃料加工施設は次の通り。▽吾妻商事(岩美町浦富)▽県森林組合連合会(鳥取市湖山町西)▽用瀬運送(鳥取市用瀬町樟原)▽山陰丸和林業八頭事業所(八頭町上峰寺)▽県中部森林組合チップ加工工場(三朝支所)(倉吉市大原)▽中部林産(岸本チップ工場)(伯耆町久古)▽山陰丸和林業生山事業所(日南町下石見)

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