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鹿児島建設新聞
2018/03/26

【鹿児島】県の工事成績評定改定/加算点分布に変化

分布 2月から新要領による運用が始まった県の工事成績評定で、改定前後を比較した加算点の傾向が明らかになった。離散化していた各考査項目の評点は、スロープ状配点の導入によってバランス性のある分布へと移行。土木一式の「出来形」の加算点を例にとると、改定前は2.8点(満点の中間点)に集中していたが、改定後は上位の加点域まで分布が細分化された。現場の汗が点数に反映されやすくなったことを裏付けている。
 集計は、県土木部工事監査が実施。土木一式を対象に、2017年4月1日〜18年1月31日に完成検査を行った783件(改定前)と18年2月1日〜21日までの65件(改定後)を比較した。
 配点ウエートが高い「出来形」(5.6点満点)は、改定前だと全体の57%が2.8点に集中する傾向があったが、要領見直しによって上位域が増え、分布も細分化。改定後は、2.8点7%、3点20%、3.2点26%、3.6点15%、4点11%−などとなった。
 「安全対策」(2.6点満点)も同様で、改定前は1.4点に55%が集中していたが、改定後は1.6点を中心にした山型の分布に移行。主な点数域の割合は、1.2点16%、1.4点11%、1.6点21%、1.8点15%、2点15%−となっている。
 「配置技術者」(1.2点満点)は、旧要領での評定によると、0点(10%)、0.6点(40%)、1.2点(50%)と3段階に限られた離散的な値だったが、今回から現場の達成度に応じて0.5点〜1.2点の間で比例的に分布。改定前に全体の1割を占めていた0点(切り捨てられた評価)の分布がなくなり、0.5点以上に反映された。


■記者の目
逆転現象≠ノテコ入れ

 点数変化の背景は、これまで評定者の裁量で自由に選択できていた評価対象項目を固定化し、達成した項目数に応じて細かく加点できる仕組みに改善した点にある。
 旧要領の場合、評価対象項目の数(分母)が変化するため、達成した項目数(分子)が同じであっても、その比率(評価値)に差が生じることがあった。つまり、分子の大小に評価値が比例しない逆転現象≠ェ起こっていたことが理解できる。
 業界が嘆いていた工事成績に対する不満の声は、今回の改定によってどう変わっていくか。何を持って「完ぺきな評価」とするかは永遠の課題だろうが、少なくともそこに近づけていく仕組みづくりを目指してほしい。

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