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宮崎建設通信社
2018/03/15

【宮崎】新年度に基本設計着手 野口遵記念館建設計画

 延岡市教育委員会は、野口遵記念館建設に係る基本構想及び基本計画案をまとめた。同位置に建て替える施設の規模を4200m2程度と設定。新施設には、ホール機能や展示機能、交流機能等を持たせる。2022年度の開館を目標に、18〜19年度に基本・実施設計、20〜21年度に建設工事を行う見通しでいる。 
 1955年に建設された現在の延岡市公会堂野口記念館(東本小路、RC造地下1階地上2階建延べ2596m2)は、市制20周年記念及び旭化成株式会社の創業30周年を記念して、同社から寄贈されたもの。648席を有するホールに最大700人が収容でき、各種演奏会や演劇、舞踊など多目的に利用されている。 
 一方で、築後60年が経過した現在、躯体や設備の老朽化が顕著であり、抜本的な対策が急務となっている。長年、市の文化振興を担い、市民に親しまれてきた施設であり、時代に即した文化施設として使い続けたいといった市民の声を受け、旭化成からの寄附金30億円を財源に、施設の名称を野口遵記念館に改称して再整備に取り組む。 
 新たな野口遵記念館は、市民のまちへの愛着や誇りを醸成し、市民のまちづくりに対する参画意欲を高め、成熟した地域社会の形成に寄与する施設として再整備する。市街からの誘客に繋がる地域の活性化に寄与する施設であると同時に、将来にわたって延岡市のまちの魅力を創造・発信する貴重な財産として長く親しまれる施設を目指す。 
 既存施設は市庁舎に隣接した位置にあり、近隣では内藤記念館の再整備も進められている。現在地は、歴史文化ゾーンを形成する魅力的なエリアとして期待されていることから、新施設は同位置での再整備とする。施設計画の立案に際しては、周辺環境との調和や環境負荷への配慮、防災・減災対策、駐車場及び駐輪場の確保等に留意する。 
 施設機能に関しては、700席程度を有する音楽重心型の「ホール機能」、野口遵翁顕彰ギャラリーや展示室を含む「展示機能」、各種会議やミニコンサート、音楽・ダンス等の練習のほか、自由に休憩・滞在できる「交流機能」、事務室・受付等の「管理機能」を配置。これらの機能を踏まえた新施設の面積を4200m2程度と設定する。 
 整備に際しては、防災面や安全面に配慮し、施設の基本理念を実現する性能を確保しながら、できる限り費用を抑えることができるよう創意工夫に努める。また、整備に際しては設計・施工分離発注方式(従来方式)やPFI方式等の様々な手法が考えられるが、目標とするスケジュールの実現可能性を踏まえ、従来方式を採用する。 
 整備スケジュール案によると、18年度中頃までに設計者を選定し、同年度下期〜19年度上期に基本設計、基本設計完了後〜19年度末に実施設計を行う見通し。20年度早期に本体建設工事の入札を行い、21年度中に竣工させる。同時進行で管理運営計画の策定と開館準備を進め、22年度のグランドオープンを目指す。 
 延岡市の18年度当初予算案には、野口遵記念館建設に係る新年度事業費として5226万円(基本・実施設計委託料2837万円、基礎調査委託料(野口遵翁及び産業歴史資料調査)497万円、地質調査委託料980万円、解体工事実施設計委託料497万円外)が計上されている。