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建通新聞社(東京)
2018/03/22

【東京】都 急傾斜・地滑り防止施設の長寿命化を18年度

 東京都建設局は2018年度、急傾斜地崩壊防止施設と地滑り防止施設の長寿命化計画の策定作業を開始するとともに、新たに砂防施設で長寿命化計画に基づく予防保全型管理を始める。施設の点検結果に基づく優先順位を踏まえ計画的に維持管理を行うことで、補修や更新に必要な総事業費を圧縮するとともに費用を平準化する。
 同局が展開している急傾斜地崩壊対策事業では、人家5戸以上に被害を与える恐れのある崖地のうち特に危険度の高い斜面について、地元区市町村長の意見を聞きながら急傾斜地崩壊危険区域に指定し、崩壊防止工事を実施している。17年1月現在で区部7カ所、多摩部36カ所、島しょ部15カ所を急傾斜地崩壊危険区域に指定し、このうち49カ所で擁壁工や法面工、落石防止柵工といった崩壊防止工事が完成している。
 また、多摩地域24カ所と島しょ地域19カ所の計43カ所で確認している地滑り危険箇所については、特に危険度が高い、または重要な保全施設のある13カ所を地滑り防止区域に指定。開発など一定の行為を制限するとともに、抑止杭や集排水施設といった地滑り防止施設を整備しており、15年度末で12カ所の工事が完了している。
 限られた予算の中で、これらの施設の機能を今後も継続して発揮させ崖崩れなどの被害を防ぐため、長寿命化計画を策定する。
 17年度に各施設の点検作業を進めており、この結果を踏まえて日常的な維持管理方針や健全評価手法、補強など対策の優先順位の決定方法、経過観察手法、補強対策工法、年次計画などを定める。
 一方、砂防施設については、琴沢入川(青梅市)▽鯉川(あきる野市)▽北大久野川(日の出町)▽平沢(奥多摩町)▽山入川(八王子市)▽大金沢(大島町)▽和亜田沢(新島村)▽神津沢(神津島村)▽金曽沢(三宅村)▽卯辰川・西川(御蔵島村)▽唐滝川(八丈町)▽大谷川(小笠原村)―など約120の渓流に整備している。事業内容は砂防ダムや遊砂池、床固工、渓流保全工、山腹工などで施設数は約600カ所に上る。
 策定作業中の長寿命化計画を17年度末に固め、これに沿ってそれぞれの施設の補修や改修といった対策を進めていく。

提供:建通新聞社