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北陸工業新聞社
2018/03/23

【福井】福井城址に山里口御門/福井県が伝統技法で復元/施工は坂川建設、あす完成式典 

 福井県が福井城址(福井市大手)の西側で整備を進めてきた「福井城山里口御門(やまざとぐちごもん)」が完成し、あす24日、幕末明治福井150年博のオープニングセレモニーと合わせ、現地で完成式典が開催される。
 松平春嶽ら福井藩主が福井城に登城する際に通ったとされる、山里口御門。県と福井市が策定した「県都デザイン戦略」に基づき、「福井城址公園」の先行整備の一環として、県が伝統技法を用いて往時の姿で復元した。施工は坂川建設。
 枡形門と呼ばれる構造で、「棟門」と2階部分に切妻の長屋状の建物が乗る「櫓門」で構成され、瓦や周囲の土塀の腰板が笏谷石で作られているのが特徴。
 中央公園と、これまで整備してきた御廊下橋、天守台跡の連続性と一体感を高めようと、県では13年度から復元に着手。石垣の積み直しなどを経て、16年5月から建築工事に取り掛かり、同年11月29日には古式伝統の様式に則り、工匠らが古式ゆかしい装束に身を包み、上棟式を執り行った。
 復元建築工事の概要は、▽櫓門=W造2階建て、切妻造、笏谷石瓦葺(本瓦葺)、上階は外壁漆喰塗、桁行10・46メートル(上階)、梁間5・46メートル(上階)、棟高8・41メートル、建築面積70・58平方メートル、延床面積57・11平方メートル▽棟門=W造、切妻造、笏谷石瓦葺(本瓦葺)、桁行6・36メートル、軒の出0・89メートル、棟高3・57メートル▽土塀=W造、笏谷石瓦葺(本瓦葺)、外壁漆喰塗(堀側は笏谷石腰板張り)、延長12・4メートル、軒の出0・89メートル、棟高2・53メートル―。
 全体事業費は約8億2000万円。財源の一部には県内外から寄せられた寄付金を活用したほか、建築材料として県民から提供された笏谷石やヒノキも使用している。

歴史を偲ぶ場所、「福井の誇り」に
福井県知事/西川一誠

 福井城山里口御門の復元整備が完了し、明日24日は、完成式典を開催する運びとなりました。
 山里口御門は、福井城の西側の守りのために築かれたものであり、平成20年に復元した御廊下橋につながる門です。江戸時代の絵図、明治初期の古写真などの史料や遺構調査に基づき、復元しました。
 復元にあたっては、石瓦や土塀の腰板を笏谷石で製作したほか、使用木材の約6割で県産材を使用しています。また、「瓦・壁板記名募金」にご寄付金をいただいた方々のお名前や記念のメッセージなどが瓦などに記されております。
 門2階の櫓の中には、福井城や山里口御門の説明や、幕末明治に活躍した松平春嶽公や由利公正など「福井の先人が語る幕末福井」の映像を展示しております。
 昨年整備した「福の井」とあわせ、福井の歴史を偲ぶ場所として、大いに活用されるとともに、県外からのお客様にも「福井の誇り」として紹介してもらえる場所となることを期待しております。

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