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北海道建設新聞社
2018/03/28

【北海道】全道地価2年連続上昇 札幌の投資活性化など反映

 国土交通省は27日、2018年1月1日時点の公示地価を発表した。全道の平均変動率は、全用途でプラス0.6%となり、2年連続で上昇した。商業地が全国を上回る上昇率になっているほか、住宅地も26年間続いた下落が止まり、横ばいとなった。いずれも札幌市内で上昇が続いていることが大きな要因。また、上昇率では住宅地、商業地ともに倶知安町内の調査地点が全国1位となっていて、リゾート地としての需要のほか、北海道新幹線や高速道路などインフラ整備に対する先行投資の動きが加速していることを反映した。
 18年の道内調査地点(標準地)は、都市計画区域など99市町の1367地点。住宅地は942地点、宅地見込み地は2地点、商業地は366地点、工業地は57地点となっている。
 全道の用途別の平均変動率は、住宅地が横ばい(前年マイナス0.3%)、商業地がプラス2.3%(プラス1.5%)、工業地がマイナス0.1%(マイナス0.4%)で、いずれも前年を上回った。商業地は3年連続の上昇で、全国の平均変動率を0.4ポイント上回っている。17年から調査対象となった宅地見込み地は、横ばいだった。
 ■倶知安町内商業、宅地で上昇率全国一
 住宅地での上昇は、49地点増えて269地点となった。上昇率の1―3位は全て倶知安町で、全国でも1―3位を独占した。1位の倶知安町南3条東1丁目16の9ほかはプラス33.3%で、リゾート従業員や公共事業従事者向けの住宅用地のほか、海外富裕層らによる別荘用地としての需要が増大していることを背景に、昨年37位から躍進した。
 商業地で全国一の上昇率となった倶知安町調査地点。新幹線や高速道路整備への期待感から需要が高まっている
 2位はリゾート地である倶知安町山田83の29のプラス31.6%で別荘やペンション用地としての堅調な需要があり、3位は同町北7条西4丁目1の33のプラス25.9%だった。これら上位3地点は、道内4位の札幌市北区北15条西2丁目21の342ほかがプラス9.3%、全国4位の那覇市内の地点がプラス17.4%であることを考えると大幅な上昇だが、元々の価格が低いことも一つの要因となっている。
 住宅地の道内最高価格は、5年連続で札幌市中央区大通西23丁目297の16となった。1m²当たり32万9000円で、変動率はプラス7.2%だった。上位10地点は全て札幌市内となっている。
 商業地における上昇は、18地点増の145地点となった。上昇率トップは倶知安町南1条西1丁目40の1ほかで、35.6%の伸びを示して昨年42位から大きく順位を上げた。1m²当たりの価格は4万円で、1万500円の上昇。市街地中心部に位置する場所で、従来からの地元法人と個人事業者の需要に加え、北海道新幹線や高速道路事業に好感を示す道内外、外国の法人と富裕層の物件需要が高まっていることが背景にある。
 2位は札幌市中央区南6条西3丁目6の31でプラス24.7%、3位は同南6条西4丁目5の32ほかでプラス20.3%だった。両地点ともすすきの地区の商業地で、容積率が800%あることからインバウンド投資の活性化を反映して上昇したとみられる。
 商業地の最高価格は、札幌市中央区南1条西4丁目1の1ほかで、1m²当たり386万円。3年連続の全道1位を維持し、変動率はプラス15.2%だった。上位10地点に入ったのは、札幌市中央区または北区のうちJR札幌駅北口付近。オフィスやホテル用地としての需要で地価上昇が続いていることが要因となっている。
 一方、下落したのは住宅地が391地点で昨年より31地点減少、商業地は129地点で21地点減った。下落率が最も大きいのは、住宅地が三笠市美園町70の38でマイナス7.7%、商業地が美唄市大通西1条南1丁目1の1でマイナス7.4%だった。どちらも昨年に続く下落率1位で、人口減少の進行などで土地需要が低下していることが理由となっている。
 人口10万人以上の都市の平均変動率を見ると、札幌市は住宅地がプラス2.3%、商業地がプラス7.4%でどちらも5年連続の上昇となった。函館市の商業地は、北海道新幹線開業効果で函館駅前からベイエリア地区にかけて上昇地区も見られたことから下落が止まり、プラス0.3%となった。釧路市の商業地も上昇地点の増加からプラス0.1%に上向いた。帯広市は、住宅地で南部地区や西帯広地区を中心に上昇地点が増えたことから、プラス0.2%と上昇に転じた。