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建通新聞社(神奈川)
2018/03/29

【神奈川】県内市町村 32団体が社保未加入対策を展開

 本紙が昨年12月から今年2月にかけて連載した「県内33市町村の入札契約制度2017」の集計で、建設業者の社会保険未加入対策を講じた市町村が32団体に達したことが分かった。うち9団体は元請けと1次下請けを加入企業に限定しており、2018年度から未加入企業の原則全排除や法定福利費を明示した「請負代金内訳書」の提出義務化に乗り出す団体も出てきた。工事の最低制限価格や調査基準価格の算定に当たり、過半の19団体が17年3月に改正された中央公契連モデル(現行モデル)に準拠またはそれ以上の算入率を使う一方、10団体は設計・測量・地質調査で最低制限価格や調査基準価格を設定していない。
 社会保険未加入対策に取り組む県内市町村は16年度の18団体から14団体増えた。28団体が利用する「かながわ電子入札共同システム」の17・18年度競争参加資格審査で社会保険の加入が申請の条件になったため、16年度まで未実施だったり、金額などで線引きしたりしていた団体が実質的に元請けを全て加入企業に限定したことが理由だ。元請けと1次下請けを加入企業に限定している市町村も16年度の6団体から3団体の増で、このうち平塚市は17年度に入って元請けと1次下請けの未加入企業を同時に排除した。
 18年度から未加入企業を原則全排除するのは横浜市で、元請けと1次下請けをターゲットにしたこれまでの対策を2次下請け以下まで広げる。また、18年度から法定福利費を明示した「請負代金内訳書」の提出を義務化するのは茅ケ崎市。いずれも現時点で県内市町村初の取り組みだ。
 工事の最低制限価格や調査基準価格の算定に当たり、16団体が現行モデルに準拠した算入率、3団体が現行モデル以上の算入率を使用。横浜市や川崎市では直接工事費の算入率が100%(現行モデル97%)となっており、これに連動する形で設定範囲も下限が予定価格の80%(川崎市)、上限が95%(横浜市、川崎市)と現行モデルの70〜90%よりも広いか高い。また、綾瀬市は現場管理費の算入率を95%(現行モデル90%)に嵩上げして運用している。
 設計などで最低制限価格や調査基準価格を設定していない団体は、17年度に南足柄市が工事関連の委託で最低制限価格(予定価格の80%)を導入したことで、16年度から1団体減った。
 17年度は▽相模原市が工事の総合評価に高度技術提案型を追加▽平塚市が工事と設計などの前払金の限度額を撤廃▽愛川町が工事で疑義申立制度を導入―といった改正もあった。
 18年度は川崎市が工事の総合評価で「女性技術者の配置」への加点や「専門工事事業者育成型入札」の試行などをスタートし、横須賀市が工事8業種に格付けを導入。茅ケ崎市は工事で最低制限価格の上限を90%から95%に引き上げるとともに、総合評価に調査基準価格と失格基準価格を設定する。

提供:建通新聞社