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北海道建設新聞社
2018/03/30

【北海道】新幹線札幌駅ホーム、大東案で合意 19年春にも着工

 北海道新幹線の札幌駅ホーム位置が29日、東案その2(大東案)を採用することで正式に合意した。駅利用の増加が見込まれる中、混雑緩和や将来を見据えた拡張性の高さが決め手となった。JR北海道で基本設計を進めた後、鉄道・運輸機構が国へ工事実施計画の変更認可手続を行う。関係者によると、設計や手続きが順調に進めば2019年春にも関連工事を含めて着工の準備が整う。
 道庁本庁舎で開かれた調整会議には、高橋はるみ知事、秋元克広札幌市長、寺田吉道国土交通省大臣官房審議官、小島滋鉄道・運輸機構副理事長、島田修JR北海道社長らが出席した。
 道、札幌市、JR北海道は利用者の利便性や将来の拡張性、地域活性化の観点から「大東案が望ましい」として合意。その上で、現駅認可見直し案との工事費差額についてはJR北海道で負担することも確認した。
 秋元市長は、在来線との乗り換えの利便性を高めバリアフリー対応への配慮を要請。「地下鉄駅までの歩行者動線の確保や周辺交通への影響など、まちづくり上の課題の具体的な検討を進める」と前向きに取り組む姿勢を見せた。
 高橋知事は、JR北海道の事業範囲見直し問題を念頭に「経営改善の視点から利便性向上で、より多くの人が鉄道を利用する環境づくりをしていきたい」と表明。併せて工事費削減や乗り換えこ線橋へのエスカレーター設置など利便性の追求を要請した。
 島田社長は「検討を深めていく」と応じ、工事費の差額負担も将来の投資であり、鉄道ネットワーク維持にも寄与できるとして理解を求めた。
 大東案は、現駅在来線の東側に創成川をまたぐ形で約300mの新幹線専用ホームを新設するもの。上り・下り線を分離した2面2線の相対式ホーム。在来線の各ホームとは、JR北海道が在来線の改良工事として鉄道高架の一層上に新設する乗り換えこ線橋と連絡通路で結ぶ。
 新幹線ホームは同機構が担当するが、営業中の札幌駅上での作業が必要なため、基本・詳細設計や施工は、コスト縮減の観点も含めJR北海道に委託する。同機構側は基本設計の後、早ければ今夏に国に認可変更申請を行う見通しだ。