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建通新聞社四国
2018/03/30

【香川】地価動向 住宅・商業地下げ止まり傾向顕著

 香川県は3月27日、2018年の地価公示結果を明らかにした。地価の下落は県全体の住宅地、商業地、全用途平均の対前年平均変動率(平均変動率)が1992年以降27年連続で下落したものの、下落幅は年々縮小傾向にあり、県全体の平均値は0・4%減と最も小さな値を示し、「下げ止まり傾向」がさらに顕著となった。高松市では住宅地、商業地、全用途平均で上昇し1991年以来27年ぶりに上昇傾向に転じた。
 1月1日現在の県内8市8町(直島町を除く)のうち都市計画区域177地点と区域外2地点の179地点を調査。全用途平均は0・4%減で前年の0・8%減より下落幅が縮小。前年からの継続地点179地点のうち37地点で「価格が上昇」、31地点で「変動なし」、111地点で「下落」するなど、価格上昇地点が前年に比べ大幅に増えた。
 また、住宅地、商業地ともに最高価格地点は前年と同じ地点となったが、変動率上位地点では住宅地で前年の「高松―3」に代わり、「高松―14、高松市錦町1ノ269ノ1」(ファミール錦町)が変動率3・5%増と最も上昇した。
 住宅地の最高価格地点は前年同様、「高松―3、高松市番町3ノ14ノ8」で、1平方b当たり23万円。変動率3・1%の上昇。商業地は「高松5―1、高松市磨屋町2ノ6他、あなぶきセントラルビル」で、1平方b当たり40万8000円、変動率4・1%の上昇だった。
 用途別の平均変動率で見ると、住宅地は0・4%減(前年0・8%減)、商業地0・3%減(同0・9%減)でいずれも下落幅は縮小した。
 市の平均変動率を見ると、住宅地0・3%減(前年0・7%減)、商業地0・2%減(同0・8%減)、全用途平均0・3%減(同0・7%減)と、27年連続の下落。高松市以外の市町では三木町の住宅地の横ばいを除き、住宅地、商業地、全用途平均のいずれも下落した。
 しかし、高松市はこの中でも住宅地が0・2%増(前年0・2%減)、商業地が0・5%増(同0・2%減)、全用途平均0・3%増(同0・2%減)と、全てで91年以来27年ぶりの上昇傾向に転じた。
 県内の地価動向について国土交通省土地鑑定委員会地価公示香川分科会代表幹事の鈴木祐司氏は、▽市街地中心部付近の利便性の高い地区と人気小学校区(番町・昭和町・宮脇町・浜ノ町・上之町・桜町・伏石町など)▽宅地開発が活発な地区内人口が増加している郊外の新興住宅地域、価格水準が比較的低位で標準的なサラリーマン世帯が購入可能な価格帯に収まる地域(多肥上町・春日町・新田町・太田上町・太田島町など)の二つのエリアが上昇地点で、横ばい地点が高松市全域に及ぶと分析した。
 一方、商業地について鈴木氏は、高松市全体で0・5%増と27年ぶりに上昇傾向に転じたとした上で、主に高松市中心部の商業地域と主要路線沿線の商業地域が上昇地点とした。
 中心商業地は空室率、稼働状況に大きな変化はないものの、賃料が一定水準を確保しており「長年の地価下落により土地価格に対する利回りも改善されている」「高松市全体としては値頃感から地価はやや上昇または横ばい傾向にある」とコメントした。「最高価格地周辺は外国人観光客の増加に伴うホテル需要を見込んだ動きも見られ、立地条件が良好でまとまった面積があればマンション用地としての需要も認められる」とする一方、「依然として収益性が見込めず、宅地需要も低調な郊外の商業地域もあり、二極化傾向がみられる」と分析した。

提供:建通新聞社