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建通新聞社(東京)
2018/04/03

【東京】都 無電柱化計画を策定

 東京都建設局は2018〜27年度の10年間を期間とする「東京都無電柱化計画」を策定した。重点整備区域を「環状七号線の内側」に拡大し、重点的に整備する路線に「区市町村庁舎や災害拠点病院等を結ぶ都道」を追加するなど、環状7号線内側エリアの対象路線の全線で事業に着手する。都内の道路延長の9割を占める区市町村道で無電柱化が進んでいない状況を踏まえ、幅の狭い道路・歩道で事業を進められるよう都が区市町村を財政的・技術的に支援し、都内全域で面的な無電柱化を推進する。整備コストについては「3分の1カット」を目標に掲げ、技術開発を促す。
 無電柱化計画では、都道の無電柱化を「電線共同溝方式」を基本として整備することとし、「都内全域」で事業を進める。優先的に整備する道路として▽計画幅員で完成している歩道幅員2・5b以上の現道▽新設・拡幅する都市計画道路▽歩道設置や交差点すいすい事業など拡幅を行う都道▽土地区画整理事業・市街地再開発事業などで整備する都道―を位置付けた。
 重点的に整備するエリアは、これまでのセンター・コア・エリア内(山手通りと荒川に囲まれた区域)から「環状七号線の内側エリア」に拡大。第1次緊急輸送道路に加え、「区市町村の庁舎や災害拠点病院など災害時や災害復旧の拠点となる施設を結ぶ路線」を重点的に整備する路線とし、計画期間中に環状7号線内側エリアの整備対象箇所全ての路線で事業に着手する。
 また、地上機器の設置スペースの確保などが難しい道路幅員や歩道幅員の狭い道路での整備手法、山間部や島しょ部での整備手法を10年以内に確立する。島しょ部では新たな手法に基づくモデル路線の整備にも着手する。
 無電柱化を都内全域で面的に進めるため、区市町村や民間事業者による取り組みを促す施策も展開する。区市町村に対しては、財政的・技術的な支援を継続するとともに、2017年度に創設した「無電柱化チャレンジ支援事業」のモデル事業を拡大し、これまで困難だと考えられていた地区での実施事例を増やすことで、無電柱化に対する地元機運を高める。民間事業者がまちづくりに合わせて無電柱化を進めるきっかけとなるよう、都市開発諸制度を改正し、「開発区域外の道路も合わせて無電柱化する場合、開発区域の容積率を割り増す」措置を講じる。土地区画整理事業で整備する区画道路の無電柱化についても助成対象に加える。
 整備コストについては民間事業者と連携しつつ競争と技術開発を促し、多様な整備手法・低コスト手法、機器のコンパクト化・低コスト化を確立していく。
 さらに、今後検討が必要な事項として、電線管理者への財政支援や、無電柱化が完了した道路での信号機用ケーブルの地中化、既設橋梁部の架空線の処理を挙げ、国への働き掛けや事業者との協議・検討などを進めていく考えだ。

提供:建通新聞社