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北陸工業新聞社
2018/04/09

【福井】再選した中塚寛おおい町長に聞く/産業団地は22年度から分譲開始を/うみんぴあ大飯のグランドデザイン策定へ 

中塚寛おおい町長
 任期満了に伴う、おおい町長選で新人との一騎打ちを制し、見事再選を果たした中塚寛氏。「みんなが主役のまちづくり」を標榜し、関西電力大飯原発1・2号機廃炉の影響回避といった難題を抱えながら、地域経済活性化に取り組む中塚氏に今後予定される主要なハード施策などを聞いた。

 ◆みんなが主役 少子高齢化による人口減少問題、地方創生による地域間競争が激化するなか、町の繁栄を支えてきた大飯原発1・2号機の廃炉決定に伴う地域経済活性化が喫緊の課題。「有権者から多くのご支援を頂いた。初心を忘れず、しっかりと町政運営に取り組みたい」と決意を新たにする。1期目では本郷地域の浸水被害対策や大島漁港の宮留防波堤整備などに着手。「町民の生命と財産を含め、災害から身を守るハード整備だけでなく、情報共有を図るため防災行政無線のデジタル化を進める」と町民とともに挑戦する「みんなが主役の町づくり」に取り組む。
 ◆波及効果 舞鶴若狭自動車道や北陸新幹線敦賀開業など、広域交通網整備が進むなか、豊かな自然環境との調和や高速通信網等の活用など特色ある立地条件を活用するため、舞鶴若狭自動車道大飯高浜インター付近で5ヘクタール規模の産業団地が計画。肉付け予算となる6月補正で測量調査や基本設計に関する費用が計上される見通しだ。19年度に用地買収や詳細設計に着手し、20年度の着工が予定される。「17年度に実施した地質調査や水源調査を総合的に勘案しながら、地権者の了解を得たうえで適地選定に取り組む」とし、「順調にいけば、22年度からの分譲開始になるだろう。働く場所の確保を含め、地元経済への波及効果という観点からも前へ進めたい」との考えを示す。
 ◆若者支援 舞鶴若狭自動車道小浜西インター近く、国道27号線へのアクセスが良好な複合レジャー施設「うみんぴあ大飯」に誘致したドラッグストアや食品スーパーマーケット、ホームセンターの3店舗が近くオープン。マリンレジャーの拠点で海の駅に認定された「うみんぴあ大飯マリーナ」、地元の特産品販売や飲食サービスを提供する「道の駅うみんぴあ大飯」なども立地し、さらなる集客効果が期待される。町ではこの好立地を活かし町有地(約1万平方メートル)に若者のU・I・Jターン支援などを目的とする「チャレンジショップ」設置を目指す。オープン時期は見通せない状況としながらも「商工会等と協議して今後、基本計画や基本設計に取り組む。あわせて、うみんぴあ大飯全体のグランドデザインも同時進行で進めたい」と町有地の活用方針に加え、Bゾーン1万3000平方メートルの企業誘致策も模索していく。
 ◆好機 50年ぶり、2巡目となる第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」が9月29日に開幕する。おおい町ではレスリングと軟式野球の正式競技会場となっており、「全国から大会に参加する団体や個人の皆様を迎え入れる。町民が一致団結し、総力を結集して成功に導きたい。おおい町を全国にPRする絶好の好機」と17年4月にリニューアルオープンした「きのこの森」の来場者数増加などに期待を寄せる。

なかつか・ひろし
58歳 名田庄三重在住。京都産業大学経済学部中退。旧名田庄村議会議員、おおい町議会議員などを経て14年3月に初当選。趣味は釣り、洋画鑑賞など。

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