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北海道建設新聞社
2018/04/19

【東京】都 辰巳国際水泳場、後利用内容絞り込みへ

 東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、東京2020大会後の東京辰巳国際水泳場(江東区)の後利用に向け、実現可能性の高い事業内容の絞り込みを始める。大規模な建物構造の変更をせず、障害者を含め誰もが利用しやすい施設とすることを前提に、プールやスケートリンク、アリーナ、これら以外のスポーツ施設といった後利用の方向を検討するとともに、管理運営手法や事業採算性を探り、後利用計画を取りまとめていく考えだ。
 東京辰巳国際水泳場(江東区辰巳2ノ8ノ10)の規模は鉄筋コンクリート一部鉄骨鉄筋コンクリート造(柱がCFT、屋根が鋼管トラス)地下2階地上3階建て延べ2万2319平方b。国際規格のメインプール、ダイビングプール、サブプールなどを備え、3600席(仮設を含め約5000席)の観客席を配している。1993年に完成した。
 ただ、オリンピック・パラリンピックの水泳競技会場としては観客席が少なく、運河に面して拡張が困難なため、近接地にアクアティクスセンター(規模は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート造5階建て延べ約7万7700平方b)を新築している。同センターをオリンピックの競泳・飛び込み・シンクロナイズドスイミングと、パラリンピックの水泳競技の会場として利用し、辰巳国際水泳場をオリンピックの水球会場にする。
 大会後は国際的な水泳競技会場としての機能をアクアティクスセンターに移すため、都は辰巳国際水泳場の後利用について有識者会議などで検討。その結果、東京体育館並みの大空間や片側に配置した観客席、ガラス張りの壁面、水泳場に特化した設備などを生かしつつ、スケートなど「水泳以外のスポーツ施設への転用」や、アリーナなど「スポーツ施設以外への用途への転用」が候補として挙がっている。
 都では20年大会のレガシーとして、スポーツ施設としての活用を軸に、大規模な建物構造の変更を行わない前提で、▽プール▽アリーナ▽スケートリンク▽その他のスポーツ施設―を候補に施設利用計画案を検討する。
 周辺にある施設との競合可能性や需要予測などを行った上で、それぞれの利用状況や競技内容に必要な施設要件、設備要件、施設の改修内容などを考える。誰もが使いやすい施設とするための利用者動線、バリアフリー改修などの内容も整理する。
 これを基に民間事業者にヒアリングを実施し、実現可能性の高い事業計画や管理運営手法、事業採算性を探る。都職員を中心とした検討会も設置し、後利用計画の絞り込みを進めていく。

提供:建通新聞社