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北海道建設新聞社
2018/04/25

【北海道】稚内市役所建替へ 本体工事費最大37億円、市が報告書

 稚内市は、老朽化が進む市役所庁舎について、建て替えに向けた議論のたたき台となる報告書をまとめた。報告書によると、建設場所は現在の市役所がある中央地区で、現庁舎と同規模の延べ約7000m²を想定。本体の概算工事費には最大で37億3800万円、外構や解体などを含めた工事費には最大で42億1600万円を見込む。今後は、6月に開会予定の定例市議会に庁舎整備関連費用の補正予算計上も視野に検討しており、早期に基本構想策定作業を進めたい考えだ。
 24日に開いた稚内市議会総務経済常任委員会で市の担当者が報告した。中央3丁目13の15にある市役所庁舎は1967年に竣工。建設後50年以上が経過し、壁や柱のクラック、雨漏り、エレベーターや空調機など経年劣化による老朽化が進む。現庁舎の規模はRC造、7階塔屋1階、延べ6938m²となっている。
 現庁舎は2011年度に実施した耐震診断で、6階の一部を除き耐震性が不足しており、特に1階から4階では耐震性が低く、震度6以上の地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高いことが判明した。
 市は近年発生している大規模地震などの自然災害を背景に、昨年12月から市庁舎建設検討プロジェクトチーム会議を設置し、庁舎整備のたたき台となる報告書作成を進めてきた。また、19年度からの次期総合計画策定に向けて実施したまちづくりアンケートでは、市庁舎に関して建て替えの必要性があるとの回答が約7割に上った。
 報告書によると、建設地は中央地区で、現庁舎の敷地内か隣接する敷地。理由として、JR稚内駅やバス・フェリーターミナルなど交通の結節点であることに加え、郵便局や金融機関、市立稚内病院といった都市機能が充実しているとの7点を挙げた。新庁舎の規模は延べ7000m²程度を想定。概算工事費に35億7000万円から37億3800万円を試算し、外構や解体費用を含めた工事費には40億4800万円から42億1600万円を見込む。
 整備スケジュールは、基本構想策定開始から7カ年を予定。基本構想、基本設計、実施設計に各1年を見込み、建設工事に2年、解体、外構はそれぞれ1年を予定する。改築に際しては、中央地区にある商店街の衰退を背景に、庁舎建て替えを契機とした無電柱化や建物デザインの統一など景観形成のほか、コンパクトで利便性の高い市街地形成を目指して公的機関の配置についても検討の必要性があると明記している。
 今後は、5月1日付でまちづくり政策部に設置する庁舎整備推進室が新庁舎整備に向けた基本構想策定手法などを固め、6月の定例市議会での予算計上も視野に検討を進める。予算計上後、市内経済団体や学識者、公募市民らで組織する検討委員会を設置して新庁舎建設に向けた協議を本格化させる方針だ。