トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2018/05/09

【愛知】名古屋市 大江川有害物質対策で工法確定へ

 名古屋市緑政土木局は、南区の大江川下流部の河床に堆積している水銀やPCBなどの有害物質の対策で、2018年度は対策工法の検討を実施する考えだ。南海トラフ巨大地震などの大規模地震発生時、液状化などで堆積物が噴出しないよう、同区間のボックスカルバート化やセメント固化改良などの対策工法について、有識者の意見を踏まえて工法を決めるとともに概略設計をまとめる。
 対象区域は、ボックスカルバート化している大江川緑地の西側吐口から名古屋高速4号東海線との交差部までで、延長は約1200b。河川の幅員は狭い箇所で70b、広い箇所で90bあり、全体面積は約10f。過去に工場が排出した有害物質を含むヘドロが堆積しているため、1979年から86年にかけてアスファルトマットによる封じ込め対策を行った。大規模地震で河床部が液状化した場合や地盤が変形してアスファルトマットが破壊されると堆積物が噴出する可能性があるため、対策に向けた検討を行う。2017年度に実施した土壌調査で、水銀やPCB、鉛を主体にヒ素やフッ素、ホウ素が広範囲にわたって堆積しているのが確認されている。
 対策工法は▽上流側の大江川緑地と同様に同所をボックスカルバート化▽セメント固化などによる堆積物の固化改良▽現在のアスファルトマット・敷砂の被覆工修繕―の3案から決める方針。有識者懇談会を立ち上げ、議論を踏まえて工法を確定させる。
 概略設計では、対策工に伴い河川の縦横断勾配の見直しを踏まえた縦横断形状を検討する他、河川横断橋脚などの応力遮断工、施工計画、仮設計画をまとめる。その上で概略工事費や工期などを算出する。
 工法選定や概略設計の検討業務は「大江川の地震・津波対策の検討に伴う有識者懇談会運営および汚染土壌対策検討業務委託」として一般競争入札を公告した。入札書を5月16〜18日に受け付ける。開札日は5月21日。履行期間は19年2月28日まで。

提供:建設新聞社