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秋田建設工業新聞社
2018/05/10

【秋田】「新スタジアム整備構想策定協議会」第1回会合/「秋田市街地」前提に規模・機能など検討

 新たなスタジアムの整備で建設場所や施設規模・機能、財源などを検討する「新スタジアム整備構想策定協議会」の第1回会合が9日、秋田地方総合庁舎で開かれ、委員である県や関連市の担当者らが集まった。協議会には専門事項を調査検討する「専門委員会」を設置し、今月下旬または来月上旬には第1回を開催する。専門委員のメンバーは株式会社ブラウブリッツ秋田や一般社団法人秋田経済同友会など。7月には協議会がコンサルタントに調査・分析を委託する。
 サッカーJ2ライセンスにも対応する新たなスタジアム整備に向けては昨年度、「スタジアム整備のあり方検討委員会」で方向性を検討。単なる「サッカー場」ではなく◇地域に活力をもたらす ◇にぎわいを生む ◇多世代が集う ◇利
用満足度の高い ◇オリジナリティあふれる―という5つのコンセプトに基づき、施設建設を行政主導とすることや、建設場所は市街地が妥当といった内容を盛り込む提言をまとめた。
 今回、設置された協議会は県、男鹿市、秋田市、由利本荘市、にかほ市、秋田商工会議所を委員に、あり方検討会の提言も踏まえながら建設主体、建設場所、施設規模・機能、運営主体・運営手法、建設・管理の概算事業費および財源などについて検討。事務局は秋田商工会議所で、会長は同会議所の相場哲也専務理事が務める。
 協議会の開催は年度内に3回程度をベースとし、必用に応じて増回するとともに、具体的な調査や検討を行う「専門委員会」(現時点9者)の第1回を来月下旬、または7月上旬に開催、月に1から2回のペースで協議する。専門委には協議会委員が全員出席し、専門委の出席者はその都度、会議の開催目的に応じて選ぶ予定。
 第1回専門委には秋田県体育協会、ブラウブリッツ秋田、秋田県ラグビーフットボール協会、秋田経済同友会、秋田県商工会連合会の5者が出席する予定で、J2ライセンスの条件を満たすスタジアムの基準について再確認するほか、ブラウブリッツ秋田が昨年度に構想をまとめた「スポーツモールAKITA」を核とした街づくり構想について説明される。
 そのうえで、7月に調査・分析をコンサルタントへ委託するための前提条件として、これまで挙げられている建設候補地(秋田市八橋、川尻、手形)ごとの整備案を複数、まとめる予定。協議会はコンサルタントへの調査委託や、専門委員会での検討状況などについて、協議会メンバーの県と各市が9月議会で中間的な状況を報告できるよう、検討を進める。来年の各2月議会では、協議会としての整備案を県と各市が報告する予定。
 9日に行われた第1回協議会では、ピッチや観客席、照明装置など、J2ライセンスの条件を満たすスタジアムの基準を確認したほか、建設場所については「秋田市街地」、建設主体については「行政主導が望ましい」とすることなどを承認。建設主体については委員から「専門委の意見を踏まえてから結論を出した方が良いのでは」などの意見も出され、PFIなど民間活力の導入も含め、「行政のみで建設する」と限定せずに検討を進める方向で一致した。
 協議会終了後の取材に応じた相場会長は建設について、「行政も基本的に無い袖は振れない。行政が主導になってどこまでできるかと、民間がどれだけ提案し協力するかで、検討の広がりが違う」としたほか、「設置主体や行政間での財源の割り振り、運営主体についての議論が難しいところ」と話した。
 また、ブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介社長も取材に応じ「我々も期待にしっかり応えたい。県民に『サッカーだけ』という認識が強いため、Jリーグの開設から関連40地域が活性化し、社会問題の解決につながっていることを、専門委員としてしっかり報告していきたい」と意気込みを語った。

提供:秋田建設工業新聞社