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建通新聞社(岡山)
2018/05/11

【岡山】国土交通省岡山河川事務所 小田川合流点付替え事業 2018年度に仮設工事へ着手

 国土交通省岡山河川事務所は、小田川の沿川地域(真備地区)や倉敷市街地への内水被害を防ぐため「小田川合流点付替え事業」を進めており、2018年度に仮設工事へ着手する。19年度に本工事を発注し、おおむね10年間で完成させる計画だ。
 洪水時に高梁川の水が小田川に流れ込み、小田川の流れが阻害されることで水位が高くなり、合流点付近に位置する真備地区では過去何度も内水被害を受けてきた。また、高梁川の沿川で背後に倉敷市街地が存在する酒津地点でも、堤防決壊による浸水被害が予想されており、それぞれの地区・地点で水位を下げる必要がある。
 同事業では、現在の柳井原貯水池がある箇所を活用し、小田川と高梁川との合流点を約4・6`高梁川の下流に付け替えることにより、小田川は約5b、高梁川の酒津地点では約0・4bの水位を下げる効果を期待している。
 18年度に着手する仮設工事については、現合流点の南側に位置する「南山」を掘削するのに備え、南山の上部を走る県道下原船穂線を一時的に迂回(うかい)させる必要がある。そのための工事4件をそれぞれ9月までに発注する。
 迂回道路は高梁川の右岸側に建設する。延長は約600b、幅員は約8b。法覆護岸工(8900平方b)2件、盛土工1件(22万7000立方b。ICT活用工事)、取付道路(法覆護岸工3200平方b)1件の発注を予定している。
 この他の仮設工事としては、本工事中の土工事などで発生する濁水を処理し高梁川に放流するための「濁水処理プラント」を現在の下流締切堤防の内側に建設する。処理能力は1時間当たり1400立方b。また、柳井原貯水池の水位を下げるため、下流締切堤防の水位低下工事(樋門・樋管工、水路工など)にも着手する。仮設工事はそれぞれ18〜19年度の2カ年継続(工期10〜11カ月間)。施工地は倉敷市船穂町柳井原。設計は建設技術研究所(大阪市中央区)が担当した。
 19年度からの本工事については、南山の掘削・法面工(掘削した土は小田川右岸の新堤防の築堤時に使用する)をはじめ、高梁川右岸の新堤防築堤や護岸、柳井原貯水池の掘削や埋土、下流締切堤防の撤去とそれに伴う橋梁(市道)の架設などを順次進めていく。
 総事業費は280億円。18年度の事業費は11億6500万円(工事費6億6500万円、測量設計費1億8700万円など)で、このうち3億4950万円を県が負担する。

「提供:建通新聞社」