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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/05/16

【茨城】県央首長がホテルや大学誘致要望/県総合計画へ反映を

 県央地域の9市町村(水戸市、笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村)で組織する県央地域首長懇話会(座長=高橋靖水戸市長)は16日、県の新たな総合計画に盛り込んでほしい県央地域の振興策を大井川和彦知事に要望した。主な要望は@人材育成として医療系やものづくり系大学の誘致(ひたちなか市)A観光振興としてプレミアムなホテルの誘致、茨城空港へのエアパークの誘致(小美玉市)B交通ネットワークの整備充実で、つくばエクスプレス(TX)の茨城空港までの延伸と常磐線とも接続、ひたちなか海浜鉄道をひたちなか地区までの延伸促進(水戸市、ひたちなか市、小美玉市、城里町、東海村)。

 那珂市では那珂IC周辺開発への支援、都市計画道路菅谷飯田線(通称バードライン)の県道昇格および全線4車線化の早期整備も要望。
 茨城町では涸沼の交流や学習の拠点となる「水鳥・湿地センター」の誘致を環境省に働きかけることを求めた。
 県では本年9月を目標に新たな県総合計画の策定を進めており、県央地域首長懇話会では県央地域の振興策等について県のリーダーシップを基に積極的な取り組みを要望した。
 要望に対して大井川知事は「頂いたご意見は、大変に参考になるものばかりです。ご意見をしっかりと踏まえて、総合計画に活用してまいりたい」と応じた。
    ◇
 要望事項の内容は次のとおり。
 【原子力研究開発の推進および新産業の創出・育成(大洗町、東海村】
 原子力の研究拠点として得られる科学技術を生かした産業育成による地域の活性化や雇用機会の創出、新産業の創出を要望。
 【涸沼を軸にした拠点施設・環境整備の促進(茨城町)】
 来訪者の交流や学習の拠点となる「水鳥・湿地センター」の誘致を環境省に働きかけていただきたい。
 涸沼北岸沿いに県道500号茨城大洗自転車道線が整備されているが、周辺には観光交流拠点が存在しており、日本一のサイクリングエリアづくりへ、同線の拡幅等の見直しも含め、涸沼を周遊できる自転車専用道路の整備推進を要望する。
 【茨城中央工業団地への企業誘致(笠間市、茨城町)】
 茨城中央工業団地の18年3月現在の分譲率は、第1期地区26・6%、第2期地区0%、笠間地区2・8%で、積極的な企業誘致をお願いしたい。
 【大学の誘致(ひたちなか市)】
 ひたちなか地区をはじめ県央地域には広大な適地もあり、若い世代の定住を促進するためにも、医療系やものづくり系など人材を育成できる大学の誘致が必要である。
 特に県内の医師数や看護師数は全国的に低水準であり、県南地区には大学の医学部があるが、県央以北は医学系の教育機関が無く、医師不足等の要因の一つとなっている。広域的な視点に基づき医学部の誘致に積極的に取り組むことを要望する。
 【海洋型リゾートを活かした観光誘客促進(大洗町)】
 首都圏のニューゲートウエイである大洗港区・常陸那珂港区への外国クルーズ客船の誘致を積極的に進め、着地型広域連携観光事業の推進など稼ぐ観光≠ノ力を入れていただきたい。
 【観光立県を牽引する広域的観光戦略の推進(水戸市、ひたちなか市、小美玉市、城里町、東海村)】
 観光インフラの早急な整備に向け、観光施設等の充実、さらにはプレミアムなホテルの誘致等の推進をお願いしたい。
 合わせて、観光地などへのアクセス強化を図る交通ネットワークの整備充実に向け、首都圏からつながる「つくばエクスプレス」を、インバウンドも呼び込める茨城空港まで延伸し、常磐線とも接続していくこと、常磐線とつながるひたちなか海浜鉄道をひたちなか地区まで延伸し、広域バス路線等と接続した交通結節機能の強化を図っていただきたい。
 【茨城空港への「エアパーク」の誘致(小美玉市)】
 静岡県の浜松基地の一角に外部施設として設置されているエアパークは、航空自衛隊が設置運営するテーマパークといえるものであり、基地との一体感が魅力となり年間入場者数が40万人を超える人気スポットとなっている。
 茨城県においても、茨城空港と航空自衛隊百里基地の共用空港である特性を活かし、茨城空港周辺へのエアパークの積極的な誘致を図り、新たな観光名所として、小美玉市の施設である「空のえきそ・ら・ら」との相乗効果による一層のにぎわいづくりを推進することを要望する。
 【常磐自動車道那珂インターチェンジ周辺の開発(那珂市)】
 那珂IC周辺の開発は、県都水戸市が持つ都市機能や北関東の物流拠点として整備が進むひたちなか地区の機能を補完するなど、県央地域のさらなる発展と連携強化に重要な役割を果たすことが期待できるほか、観光や移住・二地域居住などを通して都市と農村の交流促進を図る県北地域の活性化にも大きく寄与すると考えられる。
 那珂IC周辺の開発にあたり、必要な支援を行うことと合わせ、開発を効果的にするため都市計画道路菅谷飯田線(通称バードライン)の県道昇格および全線4車線化での早期整備をお願いしたい。