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建通新聞社(神奈川)
2018/05/18

【神奈川】横浜市 開港記念会館の保存・魅力アップへ改修

 横浜市は、大正時代に完成した重要文化財「開港記念会館」を改修する方針だ。重文として保存するだけでなく、創建時の食文化や生活様式などを伝える新たな機能も導入して魅力を高めたい考え。2018年度の上期をめどに現況調査業務を委託し、劣化状況を把握して対策を検討するとともに、新機能の導入可否を見極めて改修内容の具体化を目指す。並行して文化庁との協議を進め、19〜20年度の設計や保存活用計画の策定につなげる。21〜22年度の工事を想定している。
 開港記念会館は1909(明治42)年の横浜開港50周年を記念し、市民から寄付を募って建設した公会堂で、17(大正6)年7月に開館した。辰野式フリークラシックと呼ばれる建築様式を採用し、通りに面した三つの隅に時計塔(ジャックの塔)、角塔、八角塔を配している。関東大震災で焼失した屋根ドーム群を88〜89年に復元し、創建時の外観を取り戻した。89年に国の重要文化財となった。
 規模はれんが・鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て塔屋付き延べ4425平方b。最大定員481人の講堂は現在も中区の公会堂として使われている他、定員10〜110人の会議室9室や屋根ドーム群の復元などを紹介する資料コーナーもある。
 09〜10年に外壁の補修や講堂内部の改修などを施したものの、あちこちで漆喰(しっくい)壁がはがれるなど劣化が進行。屋根ドーム群も復元から約30年がたち、大雨が降ると雨漏りがひどいという。このため所管の市民局は15〜16年度の調査検討(横浜市建築設計協同組合)や、17年度の基本構想案策定(パシフィックコンサルタンツ)を通じて保存と魅力アップの方向性を探っていた。
 18年度の現況調査では各所の劣化具合を詳しく把握し、重要文化財として適切に保存する上でどのような対策が必要かを検討する。また魅力アップを巡っては、大正時代の食文化に触れられるカフェを設けたり、当時の生活様式などを展示したりするアイデアが挙がっており、これらの新機能を導入できるかどうかも見極めて、改修内容を具体化する。
 今後、市民局が業務委託先の選定方法などを詰めていく。19年度以降の設計と工事は建築局が担当する。
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開港記念会館データ
 【創建時】原案設計―福田重義(東京市技師、設計コンペ1等当選案)▽実施設計―山田七五郎(初代横浜市建築課長)他▽施工(1914〜17年)―斎藤平左衛門(基礎)、清水組(現・清水建設、上部)
 【関東大震災復旧時】設計―山田七五郎他▽施工(25〜27年)―大倉土木(現・大成建設)
 【屋根ドーム群復元時】設計―横浜市、清水建設▽施工(88〜89年)―清水建設

提供:建通新聞社