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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/05/23

【茨城県】東海村が夏ごろ造成工事発注/歴史と未来の交流館

 東海村生涯学習課は「(仮称)歴史と未来の交流館」の建設に向けて、本年度は実施設計の策定と敷地の造成工事を進める。実施設計は住民から出た機能拡充の意見を考慮。エントランスや多目的室の拡充、事務スペースの集約などを検討しつつ、年度内をめどにまとめていく方針。造成工事は順調なら夏ごろに発注する。建設工事へは2019年度から着手し、20年度末の竣工を目指す。
 同施設のテーマは「歴史と未来の交流」。村の歴史や文化財を「伝承、収集、保存、展示」するとともに、未来を担う子どもたちが「観る、触れる、学ぶ、好奇心をはぐくむ」といった体験活動を行え、さまざまな世代が「憩い、交流し、情報発信」することができる生涯学習の拠点施設とする。基本・実施設計は活イ設計(東京都品川区)が担当。
 基本設計によると施設規模がRC造(一部S造)2階建て、延べ2364u。建築面積は2180u。最高高さが10・5m。概算事業費は12億円。
 建設地は東海消防署西側の村有地(村松字藤ヶ作768−38)で、敷地面積は6669u。北側に駆上り動燃線(幅員16m)、西側に小松原笠内線(幅員16m)、東海高等学校側に村道2300号線(幅員5m)が接道している。
 施設は歴史博物館ゾーン、子ども未来館ゾーン、交流・共有ゾーン、屋外広場ゾーンで構成。そのほか管理諸室として事務室やトイレ、応接室、倉庫などがある。2階部分には収蔵庫、電気機械置場、屋外置場を配備する。
 環境への配慮としては、勾配屋根とすることで屋外広場への採光を確保。また、屋根の高さをスパンごとに変えることでハイサイドライトを設け、室内に自然採光を確保するとともに自然換気を可能とする。
 村では村民の理解を得るため住民へのアンケート調査を実施。1200人を超える意見を得ることができた。村はこれらの意見やアイデアを参考にしながら内観や外観を含めた機能設備を検討し、実施設計において決定する。
 具体的な機能拡充の内容としては、まずエントランスや多目的室を拡充して自由度の高いオープンスペースとしても利用できる形状とし、利用者の動線などに配慮した喫茶スペースの配置を検討する。
 また適切に文化財を保管・展示する施設環境は確保しながらも、屋根などの外観形状をシンプルにするとともに空間の有効活用を図るため事務スペースの集約化を視野に入れる。
 屋外広場については幅広い村民が気軽に立ち寄れる憩いの場としての機能と、それらに必要な設備の導入などを考慮する。
 そのほか村民の芸術文化作品の展示や文化・スポーツ活動などの情報発信スペースの確保も考える。
 実施設計の進捗について問い合わせたところ、担当課は「現在まとめている最中。しかるべき時が来ればお知らせできると思う」と話した。