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日刊建設工業新聞
2018/05/25

【鳥取】山陰道鳥取西道路/松原法面対策はアンカー工

 山陰道鳥取西道路の2地区で発生した法面変状で、国交省鳥取河川国道事務所は23日、技術検討委員会(委員長・藤村尚鳥取大学名誉教授)を開いて対策工の内容を協議。昨年12月、法面にクラックが入った松原地区では、すべり線を食い止めるため対策工にアンカーの施工を決めた。松原地区を含む鳥取西IC―浜村鹿野温泉ICの18年内開通がずれ込む可能性があり、会合後、鳥取河川国道事務所は「対策工の工程をよく詰めて(開通時期を)考えたい」と話した。
 技術検討委は非公開で行われ、浜村鹿野温泉IC西側の重山地区でのトンネル工について、委員は「梅雨や台風時期もあり、経過観察しながら慎重な施工を」とアドバイスした。
 重山地区は本線北側の法面が変状しており、対面の土砂を掘削して埋め戻しトンネル(116b)を築造する。5月現在、変状部直下に応急施工した「押さえ盛り土」を少しずつ撤去し、ソイルセメントによる先行盛り土に着手している。
 吉岡温泉IC東側の松原地区は本線北側の法面を切り下げていたところ昨年末、下から2段目の小段に延長60bにわたってクラックが発生。今年2月からの調査ボーリングの結果、もろく崩れやすい部分と固い地層が入り乱れており、鳥取河川国道ではクラック原因は地下の熱水による変質と説明した。
 対策工は切り土法面に幅50b、高さ14bにわたって長さ19・5〜25・5bのグラウンドアンカーを33本打設する。また、切り土状況に応じて、さらに下段法面にアンカー33本を打ち込む。
 鳥取河川国道の姫村幸造副所長は「早急に対策工の工程を詰めたい」と話し、狭い作業スペースを考慮して人員態勢や施工日数は今後、施工者と協議して決定する。予定している年内開通については工程次第との考えを示した。
 鳥取西道路は浜村鹿野温泉ICを挟んで東西に、鳥取西IC―浜村鹿野温泉IC間が年内、浜村鹿野温泉IC―青谷IC間は来年夏ごろと開通時期が分かれている。この日、平井伸治知事は国交省中国地整局の川ア茂信局長に対し、出来るだけ早い時期の一体供用を要望した。両区間の開通時期がずれれば、浜村鹿野温泉ICから地区内の県道に車両がなだれ込み交通安全上の問題を指摘した。

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