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建設経済新聞社
2018/06/07

【京都】京都水道グランドデザイン案 持続性確保で公民連携有効 広域連携は早急に検討必要

 京都府は6日、京都水道グランドデザイン(京都府水道ビジョン)案を明らかにした。7〜8月に実施するパブリックコメントを経て9月に最終案をまとめる。
 京都水道グランドデザイン検討委員会(座長・山田淳立命館大学名誉教授)に示した案によると、目標期間は課題に応じ、短期目標は5年後の2023年度、中期目標は10年後の2028年度、長期目標は20年後の2038年度までとした。
 長期目標の20年後に達成すべき将来目標について、視点1[安全性の確保]@水源管理A水質管理の向上B水道未普及地域等の対応、視点2[危機管理への対応]@耐震化計画・アセットマネジメントA応急給水体制・応急復旧体制、視点3[持続性の確保]@人材育成・技術継承A中長期的視点の経営B公民連携の推進の8項目を設定した。
 将来目標の主なものをみると、水道未普及地域等の対応では、短期目標を「水道未普及地域の水供給について、現行の施設の改良等の整備を行うか、実情に応じた新たな手法によるか、将来のあり方を検討」、中期目標を「限界集落化や水質悪化等により、従来手法では水供給が困難な地域において、新たな手法を検討し、実施する」とした。
 耐震化計画・アセットマネジメントでは、短期目標を「水道施設台帳を整備し、耐震化計画の策定やアセットマネジメントを実施する」「重要給水施設への供給ラインの耐震性を確保する」とし、実現方策として施設更新にあたっては施設の統廃合等によるダウンサイジングや広域的な施設の共同化や隣接事業者からの受水等を検討する、重要な給水施設を設定の上、当該施設への供給ラインを速やかに耐震化に着手することなどを挙げた。中期目標は「耐震化計画やアセットマネジメントに基づく計画的な施設整備を実施する」「基幹施設の耐震化率を向上させる」とし、実現方策として耐震化計画の策定やアセットマネジメントを実施し、計画に基づき着実に施設整備を実施する、将来の更新需要に対応した更新財源の確保策を検討する、最適な施設のあり方について施設の共同化や隣接事業者からの受水等を広域的に検討するなどを挙げた。
 応急給水体制・応急復旧体制では、短期目標を「事故・災害時の対応マニュアルを整備する」「近隣事業者、日本水道協会、民間事業者(工事業者含む)や下水道事業者等との連携を強化し、対応力の向上を図る」とし、実現方策として緊急時連絡管の整備、資機材等の共同備蓄、共同防災訓練、相互応援協定の締結など、近隣事業者等との連携を進めるなどを挙げた。中期目標は「近隣事業者等との協力体制など、実行力のある対応が可能な体制を構築する」とした。
 綾部市以北の北部圏域、亀岡市・南丹市・京丹波町の中部圏域、京都市以南の南部圏域の3圏域を設定。圏域ごと取組項目は、南部圏域(京都市及び乙訓・山城の8市7町1村及び府営水道)が「施設の共同設置、維持管理業務の共同実施や営業業務の共同委託等の広域連携を幅広く検討」「今後の水需要予測等を踏まえ、適正な施設配置や規模等を連携して調査研究・検討」、中部圏域(亀岡市、南丹市、京丹波町の2市1町)が「地域の実情を踏まえながら、隣接事業者からの区域外給水等の広域連携を検討」「近隣圏域内の事業者の取組を情報収集し、広域連携の可能性のある取組があれば導入の可否を検討」、北部圏域(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、与謝野町、伊根町の5市2町)が「施設の共同設置、維持管理業務の共同実施や営業業務の共同委託等の広域連携を幅広く検討」「公民共同企業体への包括的民間委託等による公民連携を活用した広域連携を検討」。
 水道事業の持続性の確保において、民間事業者の技術、経営ノウハウ及び人材活用を図る公民連携を有効な方策の一つとして挙げた。
 府内の公民連携等の取組状況は別表参照。包括的民間委託について、福知山市(福知山市は上水道事業等の維持管理業務等について、京都府内で初めて包括的民間委託を導入する。公募型プロポーザル方式による事業者選定を検討。予定では今年7月に公募を開始し、8月に提案審議。10月に事業者を決め、契約締結する)、宇治市、八幡市、京田辺市が検討中、亀岡市が実施予定(亀岡市は昨年4月1日から5年間、料金等関連業務(開閉栓、検針業務等)や工務関連業務(給水申請受付業務等)を委託)。広域化等については、福知山市、宇治市、城陽市、長岡京市、南丹市が検討中。
 広域化・広域連携については、府内の事業者においても枠組みや連携範囲の検討を進めていく必要があるとした。先行事例をみても調査検討から広域化の方針を決定するまでに約5年、そこから設立準備協議会を設置、協議及び手続きを経て、広域化を実現するまでに約5年の計10年程度要しているところもあることから、早急に検討を開始する必要があるとした。
 北部、中部、南部の3圏域において、府と圏域内の事業者等が参加する協議会を設置し、最適な手法や実現時期等を協議していくとした。