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北陸工業新聞社
2018/06/07

【富山】トップインタビュー/初出馬初当選/大野久芳黒部市長/市民交流Cは継続推進/健やか、展やか、朗らか 

 任期満了に伴う黒部市長選で、新人同士による三つどもえを制し、初当選を果たした大野久芳氏。県議会議長まで務めたが「政治家の実績はあるが、行政マンとしては1年生」と言う大野市長に、1期目への抱負を聞いた。
 ―選挙戦を振り返って
 「立ち位置が同じ(自民党所属)3人の選挙戦で、周囲から『争点が見えにくい』と言われる中、ひしひしと厳しさを感じていた。当選できたのは、市議と県議合わせて27年間の経験に、有権者が期待を持ってくれたことかなと思う」
 ―市の課題は
 「少子高齢化の時代になり、人口増対策にどう取り組むかが、市政運営の大きなポイントに間違いない。子どもを産み育てやすい環境をどのように整えるか。さらに若者や女性が働きやすい環境を、企業誘致も含めて考えなければならない」
 ―力を入れたい政策は
 「第2次総合振興計画が今年度スタートした。この中に盛り込まれた、旧市役所黒部庁舎跡地に建てる『(仮称)くろべ市民交流センター』や国道8号沿いに整備する『(仮称)道の駅くろべ』、統合中学校整備などは、前市政を引き継ぎしっかりと進めていきたい」
 ―ハード事業について
 「人口増に向けたハード事業を着実に進めていかなければならないが、市民にとっては生活に直結する道路や川、側溝の整備は重要。6月補正予算に必要な経費を一部計上したい。限られた予算の中、市民には我慢を求めなければならない。事業には選択と集中が必要だが、さらに「選択の中の選択」という思いで市政に当たりたい」
 ―新たな取り組みは
 「来年、世界の舞台芸術作品が集う演劇祭『シアター・オリンピックス』が、南砺市利賀地域と黒部市で開催されることになった。1993年の創立以来、日本では2回目の開催となる。この成功に向けて、準備を進めているところだ」
 ―抱負を
 「職員には、第2次総合振興計画を『健やか、展(のび)やか、朗らか黒部の創造』と人材育成を柱に、進めてほしいと言っている。『健やか』では、いかに市民が健康で元気に生活できるようにするか、『展やか』では商工業や農林水産業、観光をどう伸展させるか、『朗らか』では人づくりの基本となる学校教育をどう充実させるか、スポーツや芸術文化を通して個性・特性を活かせるか、を念頭に市政運営に取り組みたい」
 「低所得世帯の第1、2子の保育料を無償化したい。現在中学生までとなっている入院・通院費の無償化を高校生まで対象を広げられるよう、来年にはなんとか実現したい」

 おおの・ひさよし 1949(昭和24)年生まれ、69歳。市議を2期8年務めた後、99年に県議に初当選し、以来5期務める。県議会議長・副議長など歴任。桜井高校卒。

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