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北陸工業新聞社
2018/06/11

【新潟】コンクリートの未来語る/三蒲生コン協組が勉強会開く/産官学で情報共有 

 三蒲地区生コンクリート協同組合(三条市須頃 中島宏司理事長)は8日、「H30生コンクリート勉強会」を三条市内で開催した。官公庁職員やコンサルタント業者、施工業者、混和材メーカー、生コン関係者など約200人が出席し、コンクリートの未来について語った。
 開会に先立ち、中島理事長は15回目の開催を迎えられた喜びを示し「長い期間この勉強会をさせていただいている。より内容を充実させ、『また次回も来たい』と思っていただけるものにしたい」と語り、16回目の開催へ力を込めた。
 はじめに、長岡技術科学大学名誉教授の丸山久一氏が『構造物と技術革新』と題して講演を行った。丸山氏は構造物建造への要求について、「ローマ帝国の発展はインフラや教育によるもの。構造物は日常生活を良くする。時代とともに構造物への要求は変わる。我々は100年先を創造することが必要」と説き、技術革新の要因では「天才が技術を生み出すのではない。「種々の制約条件の克服」「夢の実現」「技術の蓄積、他技術との複合」が新たな技術を創出する」と述べた。その後、セメント協会、コンクリート用化学混和剤協会、新潟県生コンクリート工業組合が『コンクリートの基礎知識』をタイトルに解説した。
 新潟工科大学名誉教授の地濃茂雄氏は講演を前に「産・官・学の建設技術者が一堂に会し相互理解を深める有意義な勉強会は高く評価される」と述べ、同勉強会の関係者に敬意を込めた。地濃氏は『軟らかいコンクリート・硬いコンクリート再考』と題し、「ものづくりはすべて模倣から入る。それを蓄積し、創造することで今に至っている」と述べ、自身が撮った写真を交えながら、構造物の歴史を解説した。また、過去のコンクリートマニュアルを紹介し、「昔も今もやっていることは同じ。スランプのわずかな違いで目くじら立てるのはナンセンス。「良いものをつくる」ということに意味がある」とした。最後にこれからのコンクリートの発展について「当たり前と思わず小さなことでも疑問を持つことが重要。新しいものへの創造へやることはたくさんある。皆さんと夢を語りながら進めていきたい」と語った。
 引き続き行われた『生コン談義』では、地濃氏と新潟県土木部土木工事検査監の峰村修氏、ダイアテック代表取締役社長の丸山聡氏、建設マネジメント北陸専務取締役の大石登氏、水倉組技術営業次長の小林秀一氏、セメント協会コンクリート専門委員の飯田達郎氏、新潟県生コンクリート工業組合技術委員長の池浦一雄氏が登壇し、参加者からの質問に答えた。現場に来る生コンの軟らかさの違いに対し、丸山氏は「スランプがすべてではない。施工性や強度が重要」、地濃氏は「生コン屋だけの責任にするのはどうなのか」と語り、受発注者も含めて相互で考えていく必要性を訴えた。このほか挙げられた多くの質問や要望に対し、参加者も交えて立場の垣根を越えた本音の意見交換が行われ、より良いコンクリート構造物へ決意を新たにした。

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